【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」ターボ「3スレ目だ!」【安価】
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507: ◆FaqptSLluw[saga]
2022/01/30(日) 16:16:11.59 ID:4nnUILjg0

 ターフを吹き抜ける風。

 わずかばかり湿ったそれは、梅雨特有の陰鬱な雰囲気を俺に感じさせた。

 ……いや、俺の気持ちが、吹き付ける風をそうさせたのだ。

 とはいえ、だ。分からないことがあったとしても、例えそれが重大な何かであったとしても。

 リョテイのレースは待ってはくれない。天皇賞秋は、そしてそこで待つサイレンススズカは――。


「――! ―――っ!」


 何だろう、ひどくシリアスな雰囲気なのに、なんというか……ギャグマンガ的な何かがこちらに来ているような気がして。

 不意に耳に訪れた音に、視線をそちらに向けて。


「ゴルシちゃんを何か月も待たせるって――どういう了見、じゃいッ!」


 こちらに突っ込んでくるセグウェイと、それに乗り突貫してくる喜色満面のゴールドシップを最後に、俺の意識は立ち消えた――。


―――――――――――――――――――――――――――――――


「やーわりぃわりぃ! まさか避けられないなんて考えてもいなかったぜ!」
「そりゃウマ娘だったら避けられるかもしれないけどさ……」


 渋面を浮かべた俺に対し、悪びれもしない様子でゴールドシップは笑いかける。

 まぁ思ったよりも威力は低くて助かったけど、それでも何の了見があって人にセグウェイで突っ込んでくるのだろうか。

 俺が問いかけると、ゴールドシップは「さっきも言ったけどな」と前置きして、トレーナー室据え置きのルービックキューブを弄り始めた。


「アンタが言ってきたんだろ、ウチのウマ娘の指導をお願いしたいって」

「……」


 そういえば。

 どれだけ前かは忘れたけれど、リョテイの指導を依頼した記憶がある。

 リョテイの才能が花開くのは追込。俺が指導してもいいのだが、餅は餅屋とも言うし、蛇の道は蛇とも言うし。

 ……というわけで、ゴールドシップに依頼をしたんだった。

 ということは。


「……俺の落ち度だ、すまん」

「ま、いいぜ。おかげで”あの”トレーナーのマヌケ面を見れたことだしな」


 くつくつと笑って、ゴールドシップは意味ありげにこちらに視線をよこしてくる。


「さて、早速指導と洒落込もうぜ?」

「あ、ああ……」

「早く行こうぜ! 化石になっちまう!」


 化石……? 



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