【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」ターボ「3スレ目だ!」【安価】
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132: ◆FaqptSLluw[saga]
2021/09/21(火) 00:43:33.08 ID:dT3BXBOE0

「まさか君と肩を並べて走る羽目になるとはね」
「遠慮したかったけどな……ッ!」


 肩を並べながら、同じ方向に走るキンイロリョテイ。ただプライドに任せて走っているように見えるが――。

 キンイロリョテイの脳裏には、トレーナーから授けられた秘策が浮かんでいた。


「やっぱり遠慮するわ」
「……へぇ」


 あからさまに笑みを浮かべて、キンイロリョテイは速度を下げ――シンボリルドルフの後ろにつく。

 それを見てシンボリルドルフはなるほどな、と息を吐いた。


「スリップストリーム……それだけではないな」
「……多くは語らないぜ?」


 にやりとそれらしく微笑むキンイロリョテイ。

 誰が見ても、スリップストリーム……空気抵抗をシンボリルドルフの後ろを走ることによって減らすこと以上に、障害物排除の手間を省こうとしていることは明白だった。

 事実、シンボリルドルフの後をぴったりとくっついて走るキンイロリョテイは疲労の色が見られない。


「姑息とは言わない、だろ?」
「ああ、それも作戦だ――だが、いいのかな?」
「あ――?」


 聞き返した直後、キンイロリョテイはシンボリルドルフが口を弓なりに逸らしたのを見て。

 咄嗟にサイドステップを踏む。

 瞬間、先ほどまでキンイロリョテイが居た位置に、強力無比な踏み込みで巻き上げられた土砂が猛烈に飛来する。


「皇帝さんがダーティープレイたぁ、随分と見上げた根性だなぁ、オイ……!」
「回避できて何よりだ。では、精一杯着いてくるといい」
「クソが……」


 悪態を吐きながら、しかし懸命に食らいつこうと脚の回転を速めるキンイロリョテイ。

 シンボリルドルフは感嘆の息を吐いて、思わず満足げに笑みを漏らした。

 しかし、その笑みこそキンイロリョテイにとって苛立たしいものであり。


「いいぜ皇帝サン……アンタのその顔、必死なモンに変えてやるッ!」


 喉元に食らいつかんとする獰猛な瞳が、シンボリルドルフの背を捉えて離すことはない。

 負け必至の勝負はしかし、ここにきてその雲行きを妖しくしながらも進むのであった。


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