【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」ターボ「3スレ目だ!」【安価】
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◆FaqptSLluw
[saga]
2021/09/15(水) 22:30:58.89 ID:2nxh5HsD0
「――んで、モテるトレーナーはついに皇帝にまで手を出した、と」
ところは変わってファミレス。キンイロリョテイはサイコロステーキをつまみながら、意地が悪そうに顔をゆがめた。
何故ファミレスに来たかというと、「チームでの話し合いはファミレスだろ、それが浪漫だ」と主張するキンイロリョテイの要望に沿ったからである。
さて、当のキンイロリョテイは話だけ聞く態度である。特に意見などはなさそうで……というか、仲間が増えるなら賛成と手放しに認めている節がある。
諦めて視線をナイスネイチャへ動かせば、彼女はストローから口を離して気まずそうに笑った。
「まー、何を考えているか、大体わかりますけど……」
「そう言うことだ。頼れるのは君しかいない、ナイスネイチャ」
「へぇ、アタシしか、ねぇ」
髪をくるくると弄ぶナイスネイチャ。つい、と顔を逸らされたせいで表情が見えないが――なんだか、機嫌が良い感じがする。
ともかく、話は聞いてくれそうな気配だ。
「シンボリルドルフのチーム・エルタニン加入に際して、条件が設けられた」
「……その条件とは?」
「――シンボリルドルフとの勝負、そして勝利だ」
ぴた、と。
キンイロリョテイがその場に制止する。
「……理由は?」
「まあ、恐らくだけど――発生しうる非難への正当性を作るためだと思う」
「なるほど。確かに会長さんが、いきなり聞いたこともないようなチームに加入する……ってなったら、何かしら波紋を呼びそうですしねぇ」
そう、シンボリルドルフは、文字通り頭一つ抜けた実力を持つウマ娘。
どこかのチームに所属すれば、その実力を以て確実な栄光をもたらすだろう。
「でもよ、チーム加入はウマ娘の意思が尊重されるべきだろ? だったら、皇帝サンがどこのチームに加入しようと勝手だろ」
「ま、本当ならそうなんだろうな。ただ、今回は――そもそも俺が無理を通した形だ。こんな形でも認めてくれる秋川理事長に感謝しないとな」
「ふーん、そんなもんか」
「……それで、チーム・エルタニンで会長さんに勝てるの、トレーナーさん?」
ふむ、と一つ考える振り。だが、答えは既に決まっていた。
「ムリだよ」
「……ですよねえ」
百人いたら百人が皇帝の勝利にベットする。
別に俺たちが弱いわけではない。ルナが強すぎるだけなのだ。
「ただ、そこは理事長も十分に承知している。だからこそ――付け入る隙を作ってくれたんだよ」
「隙、ねぇ」
そう、秋川理事長の言葉を振り返れば――俺たちにはとある抜け道が用意されている。
ルナを超え、それでいて大衆を納得させるための抜け道が。
「俺に秘策がある。大船に乗ったつもりでいてくれ」
「……まぁ、トレーナーさんがそう言うなら」
「ま、アンタがそう言うんなら勝てるだろ」
信頼が温かい。
俺は二人の言葉に大きく頷いて、早速作戦の立案を行うために席を立ったのだった――。
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