【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」ターボ「3スレ目だ!」【安価】
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112: ◆FaqptSLluw[saga]
2021/09/13(月) 23:26:57.76 ID:RCFJOhnJ0



「面倒なことになったな」
「まさか、私とトレーナーくんのチームメンバーが競うことになるとは思っていなかった」


 ホープフルステークス終了後、理事長室に直談判に行った結果はあまりにも無謀すぎた。

 ”皇帝”シンボリルドルフの存在は、学園の内外に広く知られており、実力も指折りだ。

 逆立ちしても、今の俺たちではルナに勝つことは出来ない。


「……とはいえ、手加減してもらうわけにもいかないしなぁ」
「そうだな、私が手加減してしまえば忖度を疑われる。それに――君たちチームメンバーの為にもならないだろう」


 確かに、と俺は頷いた。

 広く知られている以上、ルナが出し惜しみしてしまえばそれだけでバレるリスクがある。

 いやリスクと言うか、モロバレする。それはひとえに実力が違いすぎるためだ。

 カメとウサギが真面目に戦えば、必ずウサギが勝つ。それは必然だ。


「うーむ……どうしたものか」
「まぁ、直ぐに、という話でもないし――一度持ち帰って話し合ってみてはどうだろう?」
「……そうだな」


 確かに、俺とルナ二人だけの問題ではない以上、キンイロリョテイもナイスネイチャも巻き込むのが筋だろう。

 早速伝えに行こうと席を立ったところで――ふと、服の裾を掴まれる。


「……どうした?」
「……いや、なんでもない」


 ぱ、と離された手。表情や耳、尻尾などに特に変化はないけれど――なんだか寂しそうに見えたので。


「ルナ」
「――!」
「いつもお疲れ様。今日も気にかけてくれてありがとね」


 これでいいのだろうか、なんて思いながら、ルナの頭を小さく撫でる。

 一瞬ルナの体が震えて――そしてぱた、と一瞬だけ尻尾が揺れた。


「もう少ししたら、迎えに行くから」
「……ああ、待っている。いつまででも、幾星霜の時が過ぎようと待っている――!」
「そんなに待たせるつもりはないさ。だから――負ける準備をしておいてくれよ、”皇帝”さん?」


 ぽんぽん、と。頭を最後に撫でて、俺は席を立つ。

 今度は裾を引かれることはなかったが――ルナが、何かを小さくつぶやいた。

 声が小さすぎて良く解らなかったが、表情を見るに――気にすることもないだろう。いつもの独り言だ。

 じゃあな、と手を振って、俺は生徒会室を後にした。


「……君にはもう負けているんだよ、トレーナーくん」


 


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