【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」ターボ「3スレ目だ!」【安価】
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105: ◆FaqptSLluw[saga]
2021/09/12(日) 23:53:35.22 ID:rWgXFW140

「ステーキよろしくな」
「帰ってくるなりそれか……」


 控室に意気揚々と戻ってきたキンイロリョテイは、開口一番にそう言い放った。

 あまりにも食い気が勝っている態度に、俺は思わずため息をついた。どんだけ肉が好きなんだろうか、彼女は――。

 兎にも角にも、勝利したことには変わりない。お祝いの気持ちも込めて、今日はそこそこ高いステーキ屋に連れていくとして……。


「……誰を連れてきてるんだ、君は」
「見りゃわかんだろ、まさかこのお人を知らないとは言わせないぜ?」


 差し出されるようにして前に出てきたのは、いつかマヤノと共に戦った最強格の逃げウマ娘――サイレンススズカだった。

 どのようにして連れてこられたのか、その困惑する表情を見ていれば察しが付く。恐らく彼女の強引極まりない牽引があったのだろう。


「……世話を掛けたな」
「……いえ」


 今日はレースに出走していなかったが、敵情視察という事で訪れていたのだろうか。

 いつものフォルムが美しい勝負服ではなく――冬らしく暖色系でまとめられた、ふんわりとしたコーデの普段服で訪れていた。

 寒さによる間接へのダメージをケアするために、かなり厚ぼったく着られたその服で客席からここまでくる苦労は――うん、ひとまず。


「お詫びに、君も食事の席にどうだ?」
「え、私もですか……?」
「ああ。……どうやらキンイロリョテイが迷惑を掛けたみたいだし」
「でも、私もレースが控えてるので……。ありがたいですが、お断りします」


 なるほどな、と思う。

 確かに、走ることを至上とするサイレンススズカらしい断り方だ。


「飯の話なんてどうでもいいんだよ、どうでも」
「……少しは反省するそぶりを見せたらどうなんだ?」
「でも、ここでしなきゃダメな話だ。万が一……クラシック路線のホープ、サイレンススズカに宣戦布告、なんて見出しが描かれた日にゃ……」
「書かれた日にゃ……?」
「いいな、それ」


 二転三転とするキンイロリョテイの話にずっこけながら、俺はある程度この話の落としどころを見つけていた。


「つまり、君は――サイレンススズカと同じレースを走りたい、と」
「ああ! ようやく理解してくれたか、トレーナー!」
「まぁ、な。……で、君はどうなんだ、サイレンススズカ」
「ええ……」


 困惑気味に呟くサイレンススズカ。さすがにいきなり過ぎただろうか――などと思っていると、彼女はふと、いつもの様子を取り戻して顔を上げる。


「私は別に……。と、いいますか――どちらにしても、先頭の景色を譲るつもりはありませんから」
「へぇ、かかってくるなら勝手に、ってことか」
「……」


 無言の肯定。サイレンススズカの体から、何か闘気めいたオーラが漂う。


「いいじゃねぇか。で、スズカはどのレース出るんだよ」
「私は――」

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