50: ◆ty.IaxZULXr/[saga]
2021/08/24(火) 21:28:53.14 ID:lF0ws9bq0
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映画のオープンセット・右側のエリア・一番奥の高台
あかり「わっ、遠くの景色まで見えるんご!りあむさん、あきらちゃん、こっちです……別の建物に入っちゃった」
あかり「……ふぅ。座れそうな所があったから、お茶でも飲んで待つんご」
芳乃「また、会いましてー」
あかり「わわっ!いつの間に!って、ええ!」
芳乃「お座りになられると良いかとー」
あかり「色々気になるけど、座ります」
芳乃「お飲み物はありましてー?」
あかり「はい。途中で買ってきたのが。りあむさんが言ってたから、喉が渇く前に飲みます」
芳乃「わたくしもいただくのでしてー」
あかり「……」
芳乃「気分は晴れましてー?」
あかり「えっ?」
芳乃「故郷を訪れる躊躇いは、先ほどより弱くなっていましょうー」
あかり「あれ?山形出身って言いましたか?」
芳乃「人は産まれ育ちし土地の匂いをまとうゆえー、そなたはこの地に似た匂いなのでしてー」
あかり「私、匂いますか?」
芳乃「匂いというのは鼻からだけではなくー、全てから感じるものですー」
あかり「そうなんですか?」
芳乃「ここは良き場所でしてー」
あかり「はい、そう思います」
芳乃「このおせんべいも美味なのでしてー、1枚お裾分けをー」
あかり「ありがとうございます。あっ、これ、アンテナショップで売ってるのと同じだ」
芳乃「地、空、食、気に触れ、隣人の喜びは出立前の戸惑いを上回り、そなたの気分も前向きになったのです」
あかり「そうですね、やっぱり山形は良い所ですっ!」
芳乃「この旅の終わりに、そなたの迷いが消えることを祈りましてー」
あかり「迷い?」
芳乃「ご友人が参られますー」
あかり「あきらちゃんが出てきました!せっかくだから、紹介します……あれ?」
あかり「また、どこかに行っちゃった……不思議な子です」
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