キョン「やっぱり佐々木は天才だよ」佐々木「キミには負けるよ、キョン」
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6:名無しNIPPER[sage saga]
2021/08/13(金) 00:20:57.18 ID:ibjZ0HLOO
「やれやれ。こんな風に知ったようなことを抜かすキャラクターは損するばかりで困る」

三度、困ったように佐々木は眉尻を下げて。

「ねえ、キョン」

不意に俯き、表情を隠してこう訊いてきた。

「もしもさ、僕が髪を伸ばしたら……」
「そしたら、ポニーテールが見れるな」

願望を口にすると一瞬泣きそうな顔をして。

「……やれやれだね」

いつもの通りシニカルに佐々木は微笑んだ。

「なあ、佐々木」
「なんだい、キョン」

冒頭で述べたようにこの時の俺はこんな風に隣の席の女子と気軽に会話出来る幸運を正しく理解していたとは言い難く、それでも俺なりに親しい友人をなんとか勇気付けたくて。
どうすればいいか考えて、しかしどうにか出来るだけの才能が俺にはなくて。だとしても。

貧弱な語彙しかない俺は最大限、努力した。

「ポニーテールって馬の尻尾だよな」
「それがどうかした?」
「つまり、厳密にはだな、尻毛が……」
「はあ〜〜〜〜〜……はいはい、始まった」

俺の努力は実らない。それでも後悔はない。


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