【ウマ娘】小さなトレーナーと白い奇跡【みどりのマキバオー 】
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59: ◆Nsqe9nXw7g
2021/08/08(日) 00:24:07.19 ID:OS/CCdyu0
 スターティングゲートに入ったマックイーンは、隣で準備運動がてらに首を回しているウマ娘に話しかけた。こうして彼女と言葉を交わしたのはいつぶりだろう。色々話したいことを頭の中に用意していたつもりだったが、何を置いてもまずはこの言葉を先に伝えなければならない。

「お待たせしました」

 桜の花びらを運ぶ風が栗色の髪を撫でている。柵越しに青い瞳を真っ直ぐこちらへと向けたトウカイテイオーは、マックイーンを見つめ返して答えた。

「ううん、全然。やっと一緒に走れるんだね」

「ええ。芝2400。天気晴れ。馬場状態良」

「負けて泣いちゃっても知らないよ。ボク、最強のウマ娘だからね」

「望むところですわ」

 固唾を呑んで歴史的瞬間を見守る観客たち。歴史に蹄跡を刻むべく出走の合図を静かに待つウマ娘たち。まるで世界が静止したかのような静寂が辺りを包んでいた。

 そして今、ゲートが開くと同時に世界は動き出す。


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