【ウマ娘】小さなトレーナーと白い奇跡【みどりのマキバオー 】
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20: ◆Nsqe9nXw7g
2021/08/07(土) 23:44:30.95 ID:H/R4DuwY0
「走りてーのか?」

「えっ?」

「本当に走りたいのかって聞いてんだよ。未来を蹴ってまで今を走る覚悟があんたにはあるのか?」

 少女は袖で涙を拭い、真剣な眼差しをネズミに向け、自身の左胸に手を当てながらこう答えた。

「覚悟の上ですわ。愚かな選択だと言うことは百も承知。ですがそれでも構わないと思えるほどに、ここから溢れてくる衝動の方がはるかに強い。頭からの命令なんかじゃ抑えきれないんですの」

「へっ、そうかよ。ったく、泣き虫の鼻タレかと思ったけど、良い顔するじゃねーの。ようし、わかった! この俺様が人肌脱いでやろうじゃねーか。よろしくな、たれ子!」

「たっ、たれ子!? えっ、わたくしのことですの?」

「お前以外の他に誰がこの部屋に居るってんだよ。今日からお前は鼻水たれ子だ」

「はなみ……それは流石にあんまりですわ! それに垂らしてなんかいません!」

「じゃあここはやっぱり満を持して玉しゃぶ郎ならいいだろ。女っぽい名前だしよ。いやでも待てよ、やっぱりうんこたれ蔵の方が何かしっくり来る……あっ、ちょっと待ってなんか目眩が……」

「たま……うん……なっ、なんて下品な。わたくしにはメジロマックイーンというちゃんとした名前がありますのよ!」

「わかったから大声出すなよ、たれ子。今なんか思い出しそうなんだって」

「たれ子はおやめなさい!!」

 久しぶりにマックイーンの元気な声が屋敷に轟いたこの日、使用人の日記にはこう記されていた。「不自由による精神的ストレスからか、お嬢様はやや錯乱気味と見受けられる」と。



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