【ウマ娘】小さなトレーナーと白い奇跡【みどりのマキバオー 】
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11: ◆Nsqe9nXw7g
2021/08/07(土) 23:32:10.41 ID:H/R4DuwY0
「チクショウ! なんだってんだ!」

 ネズミは苛立ちから小石を思い切り蹴り上げた。すると、その小石は高く飛び上がると放物線を描いて老紳士の頭に当たったのだ。老紳士は小石の当たった頭を摩りながら上空を見上げている。どうやら、頭上から石が降ってきたのだと思っている様子だった。

 それを見たネズミはあることに気付いた。何故かはわからないが、自分の存在はこの老紳士には認識されていないということ。これでは助けを呼ぶことなど到底不可能である。しかし、先程の老紳士の反応を見たネズミはまだ打つ手が残されていると悟り、急いで来た道を戻り少女の元へと向かった。

 しばらく走ると、少女はまだそこにいた。何度か立ちあがろうとしては倒れたのだろう。長い髪や尻尾、着ているジャージは土や落ち葉で先程よりも汚れていた。ネズミは少女の頭に登ると右耳に付いたリボンを外して耳元でこう呟いた。

「悪いな、ちょいとこいつを借りてくぜ。直ぐ戻って来るからよ」


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