1: ◆bncJ1ovdPY[saga]
2021/07/26(月) 00:11:58.85 ID:cFSyeT5I0
未来「わー、春香さんのクッキーだっ」
春香「たくさん焼いてきたから遠慮しないでね」
奈緒「春香のクッキーってなんか安心する味やわ」
未来「あ、それ分かるかもっ。食べてると幸せな気持ちになりますよね〜」
桃子「……、……」
桃子(向こうは春香さんのクッキーを食べながら盛り上がってるみたい)
桃子(春香さんの作るお菓子はいつも美味しい。安心する味、というのはよく分からないけど……馴染み深いというか、そういった感覚ならある)
桃子(とはいえ、桃子は次の台本を読み込んでる途中。撮影も近いんだし、集中して覚えなきゃ)
春香「桃子ちゃん、今大丈夫?」
桃子「……次の撮影までに台詞覚えなきゃだから、少しだけなら」
桃子(……と思っていても、いつの間にか近くにいるんだよね。この人……)
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2: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2021/07/26(月) 00:16:29.40 ID:cFSyeT5I0
春香「今朝、クッキーを焼いてきたの。良かったら、桃子ちゃんにも食べてほしいなって」
桃子(なんというか、ずるい言い方をする。あくまで桃子に委ねたまま、心配を少し覗かせるようなその顔)
桃子(ここ最近はお仕事がない時は常に台本を読んでいたから、休めていないと思っているのかも)
3: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2021/07/26(月) 00:19:30.10 ID:cFSyeT5I0
桃子「……向こう、行かないの?」
春香「えーっと、私はこっちにいたい気分っていうか……ダメかな?」
桃子(そのくせ、心配してることは隠そうとするし。言い訳もそんなに上手くないから、すぐ分かっちゃう)
桃子(わざとやってるんじゃないかって思わなくもないけど……素なんだよね、きっと)
4: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2021/07/26(月) 00:20:37.21 ID:cFSyeT5I0
桃子(1人分としては少し大きいそのお皿から、クッキーの良い香りが広がる。明らかに焼き立てだし、このまま冷めてしまっては勿体ない)
桃子(春香さんはじっとこちらを見つめている。何かを待っているような……あ、ちょっと泣きそうな顔してる)
桃子(それを横目で見た桃子は、やっぱり不思議な温かい気持ちに包まれて……パタンと、台本を閉じる)
桃子「冷めたら勿体ないし、先に食べようかな」
5: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2021/07/26(月) 00:21:38.90 ID:cFSyeT5I0
春香「ど、どうかな?」
桃子「……うん、美味しい」
春香「……良かった」
桃子「なんで、そんな不安そうなの」
春香「あ、えっと……喜んでもらえるかなー、ってのもあるけど……」
6: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2021/07/26(月) 00:22:06.48 ID:cFSyeT5I0
桃子「……春香さんって、お姉ちゃんみたいだよね」
春香「えっ」
7: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2021/07/26(月) 00:23:04.23 ID:cFSyeT5I0
春香「そりゃ、桃子ちゃんよりはお姉さんだと思うけど……」
桃子「……そういうのじゃなくってさ。なんだろ、お姉ちゃんみたいって思うんだよね」
春香「お姉さんと、お姉ちゃんの違い?」
桃子「そうだけど、そうじゃないっていうか」
春香「……難しいこと、考えてるんだね?」
8: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2021/07/26(月) 00:23:46.18 ID:cFSyeT5I0
桃子「……多分、そうかも。家族で、お姉ちゃん……みたいな感じ」
春香「な、なんだか照れちゃうな……」
春香「家族でお姉ちゃん、かぁ……私も一人っ子だから、お姉ちゃんがどんな感じなのかは分からないかも」
桃子「役としてなら、妹を演じたこともあったよ。……どれも桃子とは似てないけど」
9: ◆bncJ1ovdPY[sage saga]
2021/07/26(月) 00:25:02.51 ID:cFSyeT5I0
春香「もしかして、初めて『お姉ちゃん』って思ってくれたのは……私だったり、するのかな」
桃子「……、……そうかもね」
春香「えへへっ。春香お姉ちゃんって、呼んでくれてもいいんだよ?」
桃子「……それは、なんかイヤ」
春香「なんでっ!?」
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