水谷香月「頑張れ、里山。私がついてるぞ」里山活樹「ああ」
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3:名無しNIPPER[sage saga]
2021/07/22(木) 00:09:25.59 ID:QC2+Cl8EO
「自信持てばいいのに」

まるでリングの上で逃げ回る弱者のようだ。
立ち向かう姿がまるで想像出来ない。でも。
それでいいと思っていた。しかし、違った。

「……なんだろう、この感じ」

キョロキョロするのをやめて、里山活樹がこちらを見つめている。負けじと見つめ返す。
すると、何故か一歩後退る。距離感を測る。

わからない。間合いが。どう詰めればいい。

「……っと」

いけない、いけない。悪い癖だ。手を振る。

「?」

手を振られた里山は頭の上にクエスチョンマークを浮かべて怪訝そうな顔をして首を捻っている。さっきまでの雰囲気は消え去った。
ボクサーに囲まれて育った私はついつい間合いを測る癖がある。里山活樹は素人なのに。

素人なのに。何故、この私が、臨戦態勢に。

その時に感じた違和感の正体を、私は後日、身をもって思い知る。ゴングが、鳴り響く。
私はヘッドギアとグローブをはめて、リング上で里山活樹と対峙する。なんだこの状況。


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