【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」スペ「2スレ目です!」【安価】
1- 20
763: ◆FaqptSLluw[sage saga]
2021/08/25(水) 18:39:10.76 ID:+hM7VL0K0
「――稟議書。本当に通るんだろうか」


 キンイロリョテイと別れた後、俺は稟議書を手にして理事長室前に立っていた。

 ……これを提示するという事は、俺がループしているという事は最初から説明することに他ならない。

 だが、俺には提出せざるを得ない理由があった。――URA優勝という、大望が。

 マヤノトップガンの育成を終えてみてわかった。ウマ娘を育成する上で欠かせない要素の一つに”他のウマ娘の協力”がある。

 前回のループではシンボリルドルフが協力してくれたが、今ループでも同じように上手くいくとは思えない。

 であれば、最初からウマ娘の協力を取り付けられる状況――つまりチームを作成することは必要だと強く思う。


「考えているだけじゃだめだな。提出しに行くか」


 二度扉を叩けば、内側から秋川理事長の声が返ってくる。

 俺は「失礼します」と扉を開き、中へと入る。


「挨拶ッ! お疲れ様だ!」
「お疲れ様です、理事長。今少しお話よろしいでしょうか?」
「肯定! ……君は、先週着任したばかりのトレーナーだな、何か用か?」


 こちらを、と秋川理事長に稟議書を差し出す。

 既に決済印が押されたそれに、秋川理事長は首をひねって疑問を露わにした。


「……疑問。このような提案の決済印を押した覚えはないが……」
「当然でしょう。……なぜならば、その決済印は、貴方ではない秋川理事長に押してもらったものですから」


 俺がそう言えば、秋川理事長は首をひねった。

 言っていることの意味が良く理解できていないようだ。……まぁ、当然の反応だろう。

 このままでは、話が進むこともない。

 そもそも話すつもりだったので、俺は自身が陥ってしまっている状況の仔細を理事長へと話した。

 最初こそ理解が出来ないとばかりに何度も話を止めていた理事長だったが、実際の体験を交えて話せば次第に懐疑的な態度が打ち解けていく。

 ……さすが、若いなりに理事長をしているだけはあった。


「成程。理解はしたぞ、理解は。ただ、だからといってすぐに稟議を通すわけにはいかないが……」
「……いえ、通した方がよろしいかと」
「……シンボリルドルフ、いつからそこに?」


 俺がそう問えば、シンボリルドルフは苦笑いを浮かべて、扉の方を手で示した。

 ……開けっ放しだった。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/577.61 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice