【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」スペ「2スレ目です!」【安価】
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74: ◆FaqptSLluw[sage saga]
2021/07/25(日) 21:43:08.10 ID:kSZaZ/Zr0
 思い返せば、マヤノトップガンは皐月賞以来泣いたことはなかった。

 自身が勝たなければ、トレーナーの記憶が自分以外から無くなってしまう――。言うなれば、孤独な地獄を歩む未来が敗北の先に広がっていた。その責任や苦痛は、マヤノトップガンの眠りを妨げることさえあった。

 頭では理解していた。けれども、それを意識は容認することは出来ない。

 怖かった。

 怖かったのだ。

 泣きたい瞬間はいついかなる時にでもあった。

 喜んでいるときも。

 怒っているときも。

 哀しんでいるときも。

 楽しい時も。

 生きている、トレーナーと共に此処に居るという実感があれば、その瞬間こそが彼女にとっての絶望の旅路への予感でもあった。

 ……先ほどの、会田トレーナーやナイスネイチャとの会話も、強く予感を刺激する行為だった。

 会田トレーナーはトレーナーのことを認めていた。本来であれば、それは紛れもなく、彼にとって強い記憶となって残るはずのものだ。マヤノトップガンにとって、トレーナーが認められるのは――多分、自分自身が褒められるよりも嬉しいことだ。

 ナイスネイチャは会田トレーナーと良好な仲を築いていた。本来であれば、それはウマ娘とトレーナーにとって(その感情の大小の差はあれど)当然の経緯であり、そして未来だった。

 トレーナーを認めてくれている人がいる。当たり前の未来を送れるウマ娘が目の前にいる。それらが、自身の敗北によって。たった一度の敗北によって崩壊する。


「重いよ」


――それは重かった。彼女の飛翼を、傷付けてしまうくらいに。
 

「トレーナーちゃん、マヤ、ちょっとふつーじゃないみたい……」
「……俺も、目を背けてたかもしれない。だから、全部聞くよ。君の話を」
「……嫌いにならない?」
「何があっても」


 そういうなり、トレーナーは長いソファーに腰かけた。

 マヤノトップガンは吸い込まれるように、トレーナーの横に腰を下ろした。


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