【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」スペ「2スレ目です!」【安価】
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662: ◆FaqptSLluw[sage saga]
2021/08/23(月) 22:26:26.11 ID:9tDKi9xF0


「……うん、いつの間にか俺のお茶汲み技能も上がったな」


 紅茶を飲めば、今にも泣きそうだった心が少し落ち着いた。

 俺はゆっくりとソーサーにカップを戻して、マヤノを見る。

 ……マヤノは、泥だらけの勝負服を着たまま黙り込んでいた。

 道中もタオルを被って、表情も何も見えないように隠していたのだ。


「……マヤノ、今日はお疲れ様。よく頑張ったな」
「……っ!」
「結果は残念だったけど、君はもっと走れる。だから――こう言うのは無責任かもしれないけど、頑張ってほしい」


 ぽん、と頭に手を置けば――体の震えが伝わってくる。

 耳は倒れ、尻尾は微動だにせず――それが悲しみからくるものだと、俺はよく知っている。

 いつもしているように、髪を指で漉くように撫でれば、マヤノは小さく反応した。


「……思えば、長い付き合いだよな。もうそろそろ3年になる。……いろいろあったよなぁ」
「クリスマスとかさ、俺が取り乱してた時、マヤノはいろいろ言ってくれたよな。嬉しかったなぁ……」
「俺は、マヤノのトレーナーでいていいのか、なんて。今となっちゃ黒歴史だよ」


 砂ぼこりで少し絡む髪を、丁寧に解しながら、訥々と呟く。


「皐月賞、ナイスネイチャと争うことになった時は――ちょっとびっくりしたよ。まさかナイスネイチャが勝負を仕掛けてくるだなんて思わなくて」
「強かったよなぁ、ナイスネイチャ。マヤノとも接戦だった……」
「……それよりも強いウマ娘もいたな。シンボリルドルフ。マヤノがこっそりとシンボリルドルフの指導を受けているって気付いた時にはびっくりしたよ」


 震えが収まってきたマヤノの背を、あやす様に撫でながら、続ける。


「……天皇賞・春。あの時は信じてやれなくてごめんな。本当に後悔してるし、感謝もしてる」
「抱き着かれるのは少し困ったけど、でも信頼されてるってわかって嬉しかった。……将来的にはそのクセ、治そうな」


 少しだけ力を取り戻した耳を見ながら、また髪を漉くように頭を撫でる。


「クリスマスはごめんな、何も言わずに席を外したり、嘘を吐いたりして……」
「でも、マヤノのことが大事だったからそうしたんだ……って言っても、嘘ついちゃダメだよな」
「反省したよ。これからマヤノにきちんと向き合おうって思った」


 小さく揺れる尻尾を見て、もう一度頭をぽんと軽く叩く。


「それから、夏。……今思えば、少し恥ずかしかったな。まさかあんなこと言うなんて俺も思わなかった」
「でも人生って、そんな不連続性の塊だから楽しいっていうか……」
「ああ、思い出すだけで恥ずかしくなって訳のわからないことを言い始めてしまうな……」
「……今でも、その気持ちは揺るがないよ。マヤノも……同じことを想ってくれてるならうれしいな」


 小さく、頭が揺れる。どうやら頷いてくれたようだ。



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