【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」スペ「2スレ目です!」【安価】
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359: ◆FaqptSLluw[sage saga]
2021/08/09(月) 21:03:07.81 ID:dHhOdHCd0
というわけで、ゆるりと進めていきます。

―――


「トレーナーちゃん、今日の夜花火したい!」


 トレーニング後。クールダウンするために歩いている最中、マヤノは提案した。

 つい先日、街で購入した諸々の品の中に花火は確かに存在している。

 前回はスペシャルウィークに突然渡されたので準備も何もできなかったが、今回はそもそも”花火をする”という目的のもと準備をしている。準備は万全と言えた。

 そして、準備が万全であるという事は、いずれマヤノが花火を提案してくることも分かっていたということで。


「いいね。じゃあ、今日の夜……夕食が終わった後に宿舎前で待ってるよ」
「うん! 今日のために用意したアレも着ちゃうから――トレーナーちゃんも、マヤにメロメロになっちゃうかも〜?」
「はは、期待してるよ」
「……むー。そんな反応してられるのも今のうちなんだからね! 首をながーくして待っててね、トレーナーちゃん! ユー・コピー?」
「長くして待ってるよ、アイ・コピー」


 頬を膨らませ、踵を返すマヤノ。俺はリスみたいなマヤノの姿が見えなくなるまで、小さく手を振っていた。

 ……ようやくマヤノの背が消えた時、俺は自然と息を吐いていた。深い、ため息を。

 そのため息が何から出たのか、俺にすらわからない。ただ、この吐息が何かしらの想いからくるものは確かで。

 正体がわからない”想い”とやらが酷くむず痒くて、頭を掻いた。そしたら、波がいつの間にか脚に押し寄せていて、突然の冷たさに驚いて小さく悲鳴を上げる。

 そんな俺を笑うように、カモメが甲高い鳴き声を発していた。




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