【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」スペ「2スレ目です!」【安価】
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◆FaqptSLluw
[sage saga]
2021/08/07(土) 17:49:39.24 ID:LizPTLal0
「だから訂正しよう、マヤノ。俺”も”悪いんだ……。だから、結果として……ナリタブライアンに、あんなことを言わせてしまった」
「……トレーナー、ちゃん」
「………悔しいよな、哀しいよな。追いつきたい背中にあんなこと、言われるの」
「……うん」
「今でも、追いつきたいか?」
「……おいつきたい」
「走りたいか?」
「……走りたい」
俯きながら、答えるマヤノ。
瞳は見えない。表情も。
だけど、その声には確かな意思があった。
あの時有馬記念で見つけた、あの寂しい背中に追いつきたいと。
もう失望される走りは見せない、見せたくないと。
「……マヤノ。ナリタブライアンは今、傷を負っている。だからその傷を癒してあげないといけない」
「……うん」
「そしてその傷は――君が、ナリタブライアンに並ぶ……いや、超えなければ癒えることはない」
「……だから、超える」
「そうだ、だから超えなくちゃいけない」
ナリタブライアンが怒るという事は、それだけマヤノにかける想いが強かったという事だ。
影は光がなければ存在できない。ナリタブライアンにとってのマヤノは、光となりつつあった。――それは想像に難くない。
だから、ナリタブライアンは不器用ながらも怒った。叱咤した。それでマヤノが起き上がることを望んでいた。
自らが傷付いても、なお。
「明日からだ」
「……うん」
「明日から、ナリタブライアンを超えるぞ」
「……うん!」
「それが、ナリタブライアンに出来る唯一の贖罪だ。だから――また、一緒に戦ってくれるか?」
言葉と共に、手を差し出す。
……強い感情は、強い感情で塗りつぶさなければならない。
それは、ナリタブライアンに対する怒りであり、悲しみであり――何より、罪をあがなう気持ちだ。
死んでいく蝉みたいに。泣きわめくことは出来ない。しちゃいけない。
――八日目の蝉。俺は、俺たちはそうあらなくてはならない。
運命を気にする間もなく。
義務を気にする間もなく。
自身の全ての意味と価値を、声高に示さなければならない。
俺たちには何も残っていないのだから。
ナリタブライアンに届くまで、声高に。
[Root1:Obsession-オブセッション-]
[Answer2:八日目の蝉]
(了)
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