【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」スペ「2スレ目です!」【安価】
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193: ◆FaqptSLluw[sage saga]
2021/08/01(日) 11:47:51.97 ID:P9TDvDr90
「――実は、マヤノと共依存の関係になっている」
「……え?」
「この前のクリスマス、マヤノの感情が爆発しそうになって、それを収めるためにこうなった」


 シンボリルドルフは……さすがに驚いているようで、目を見開いていた。

 まぁ当然だろう。この前まで問題なく面倒を見ていた子が、共依存というあまり聞きなれない状態になっているのであれば。

 しばらく後、考えこんだシンボリルドルフは顔を上げ、こちらを見る。


「……なるほど、なんとなく理解はしました。要は――貴方のループに関連して、マヤノトップガンの心理的疲労が累積した結果、というわけですね」
「そうだ、理解が早くて助かるよ」
「ありがとうございます。……相談と言うのは、つまりそんな二人の関係をどうしたらいいのか、という内容で合っていますか?」
「そうだ」


 再び、シンボリルドルフは考えこむ。

 顔を上げたシンボリルドルフは、申し訳なさそうに眉を下げていた。


「正直なところを言うと、明確な答えを返すことは出来ません。何分、そのような状況に対しての知識が足りていないので……」
「……まぁ、そうだろうな」
「ただ、一つ思うことがあるとすれば――果たして、その関係はそこまで悪いものなのか、ということです」


 シンボリルドルフのその答えに、俺は思わず声を漏らした。

 彼女であれば、健全な関係性をこそ望むと考えていただけに、俺は虚を突かれた形になっていた。

 ……シンボリルドルフもそのことは承知していたのだろう。苦笑いを浮かべながらも、その訳を説明してくれそうだ。


「穿った考え方になるかもしれませんが、互いに好意を抱いている状態とは、相互の依存関係と言えるのではないでしょうか。好意とは言わば他者からの承認欲求と言い換えることも出来ますから」
「人それぞれだろうけど、まぁ確かに」
「ことマヤノトップガンに関しては当てはまる言葉だと思っています。だから、この話において大事なのは、その関係性自体ではなくて――想いの大きさというか、占める割合の問題だと思っています」


 なるほどな、と頷いた。

 誰かと離れたくない気持ちを依存心と言うのであれば、それは人間にとって至極当然の感情だ。

 俺にだって、マヤノ以外への依存心はある。友人や両親等がそうだ。

 だから、問題は占める割合――簡単に言えば、向ける感情の大きさ。

 今は俺に向いている感情がかなりの割合を占めているから、これを何処かへと分散させなければならない。


「ですから、その関係は悪いものではありませんが、感情のベクトルの大きさには調整の必要がある、と考えています」
「……そっか」


 で、あるならば。あとはマヤノが答えを出すのを待つだけなのかもしれない。

 マヤノがじっくり考えたうえで、俺以外への感情を見出せるのか……それが、分水嶺。

 漠然と抱いていた不安が、多少和らいだ気がして。

 俺はシンボリルドルフへと頭を下げる。


「ありがとう、シンボリルドルフ。答えを見出せたような気がするよ」
「いえ、こちらも――私の不明に気付けました、ありがとうございます」
「……ストイックだな」
「そういうものですから」


 シンボリルドルフは軽く微笑んで……ふと思いついたように、こちらに再度水を向けてくる。


「校内でわいせつな行為などに及ばないように、厳にお願いします」
「してねーよ!!!!」





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