【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」スペ「2スレ目です!」【安価】
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◆FaqptSLluw
[sage saga]
2021/07/21(水) 21:03:29.46 ID:lgWUywaw0
がちゃり、と強く扉が開かれて、強く踏み込む音が聞こえた。
何となく、”そう”なる気がして。俺は立ち上がって、扉の正面に立った。
オレンジ色の弾丸が飛んできて、腹部に突き刺さる。しっかりと抱きとめ、衝撃を殺すためにくるりと一回転する。
オレンジ色の弾丸――マヤノは、すりすりと胸板に頬を擦り付ける。まるで小動物がじゃれるように。
軽く頭を撫でて上げると、腰に手を回されぎゅっと抱きしめられる。それだけでほんわかした気持ちになって、こちらもお返しにと髪を漉くように撫でる。
……そんな時間がどれくらい続いただろうか。外から響く他のウマ娘の声に、はっと我に返る。同時に、まだ言葉を交わしていなかったことを思い出した。
「……お帰り、マヤノ」
「ただいま、トレーナーちゃん!」
そういうなり、マヤノはもう一度ぎゅっと抱き着いてくる。……少しどころかかなり痛いが、ここは為すがままにされる方がいい気がして、ぐっと我慢する。
すると、小さな兆候を見抜いたのか、マヤノがぱっと手を離した。
「……痛かった?」
「ん、少しな」
「そっか、ごめんね、トレーナーちゃん」
「大丈夫だ」
そう答えるが、脇腹は若干痛む。
そんな俺の様子に気付いたのか、マヤノは少しだけ表情を悲しげなものに変えて――何かを思いついたかのように、ぽん、と手を叩く。
「トレーナーちゃん、マヤ、レース頑張ったよね?」
「……ああ、本当に頑張ったな」
「だから、一つご褒美もらってもいい?」
「ふむ。俺に可能な範囲ならいいぞ」
「やったー! じゃあ……」
マヤノはそういうなり、備え付けのソファに座る。
そして、自らの太ももをぺちぺちと叩いて――。
「膝枕、させてほしーなー……なんて」
「…………ダメだ」
「えー?! 今結構勇気だして言ったのに〜?!」
「いや、そりゃ魅力的な提案だけどさ、今此処ではまずいっていうか、見つかったらやばいだろ?」
「やばいなんてことはないよ! 愛の前には年齢なんて些細な問題だってドラマでも言ってたよー?」
「愛の前では問題なくても、法律の前だと問題がありまくりなんだよ……」
そういうと、マヤノは途端にしょんぼりした表情を浮かべて。
「……じゃあ、お願い聞いてくれないんだ」
「いや、そういうわけじゃ――」
「マヤ、本当に頑張ったのになぁ」
「だから――」
「あーあ……」
ちら、ちら。
「……わかったよ、だけど、ここでは駄目だ!」
「えー? どうして?」
「人に見られたらまずい、って話をしただろ」
「……つまり、人に見られない場所だったらいいってこと?」
「そう、だな。ああ、そうだ」
「やったー! じゃあ、トレーナー室の中だったら大丈夫?」
「……。ああ」
レースに負けるかも、なんて。そんなことを考えていた俺にとっては、そのご褒美は余りに軽すぎる気がしたけれど。
でも、マヤノの表情は、とてもうれしそうで。
その時、ふと先ほどの高揚を思い出した。
だけど、気付いてしまえば――俺はその気持ちに蓋をしなければならない、ということに気付いてしまった。
それは多分毒だろうから、全身に回る前に切り捨てておかなければならない毒だから。
楽しみだと笑うマヤノに、俺はどんな表情で相槌を打てばいいのか、わからなくなっていた。
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