【シャニマス】P「よし、楽しく……」-L'Antica編-【分岐有】
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◆bXCm/le03U
[saga]
2021/07/09(金) 02:20:37.98 ID:enf9/bEJO
5時間目。
〜中庭〜
P(5時間目は担当教員の都合で自習となった)
P(代わりに来た監督の先生は生徒たちを監督する気がないようだった。自分の仕事をしていたからだ)
P(教室は騒がしい。せっかくの時間を教室で過ごす必要はない)
P(そういうわけで、中庭の目立たなそうな所に来ている。ここで静かに過ごそう……)
P「……あ」
P(缶コーヒーの1つでもあれば……うん、“良い”な)
P「確か自販機がこっちに……」スタスタ
P「……あった」
P(缶コーヒーといっても色々あるな……)
P(……と、その中でも一際目立つデザインの缶があった)
P「これにするか……」スッ
「おや、アナタもそれが気になるのかい?」
P「え」
「おっと、驚かせてしまったかな」
P(確かに驚いてはいる――色々と)
「すまない。どれを選ぼうか考えているアナタのことを、つい、見てしまってね」
「しかも、私が気になったものと同じ缶を選ぼうとしたものだから」
P「あ、ああ……これか」
P「目立つよな」
「そうだね。とても目立つ。目立つものだから、当然、人目にはつくんだろう。気にかけてくれる人も多いはずだ」
「けれど、その中身にもちゃんと向き合ってくれる人は……果たしているのかな」
P「なるほど、そういう見方もあるのか」
P(缶コーヒーに対してそこまで考えたことはなかったな)
P「そうだな……君に言われて思ったのは、それなら俺が向き合ってやればいい、といったところかな」
P「理解者は多くなくていい。たぶん、少なくてもいいし、1人でもいいから、ちゃんとわかってくれる人がいれば良いんだと思う」
P「だから、その1人に俺はなろうかな」
「……!」
P「って、缶コーヒーで何言ってるんだって感じだよな」
「……いいや、そんなことはないよ。なんだか、今すぐにでもアナタにお礼をいいたいような気分だ」
P「ははっ、なんだそりゃ」
P「って、君はここにいてもいいのか? 教室から抜け出してきた俺が言うのもなんだが」
「実はね、いま、私のクラスは体育なんだ。でも、ちょっと、1人になりたくてね」
「それで、仮病を使って抜け出してきたというわけさ」
P「不良だな」
「そうだとも。アナタと同じ……ね。私たちは互いに同じ罪を犯している」
「それでも、悪い気はしないよ。こんなに良い出会いがあったのだからね」
P「そう言ってもらえるなら、サボりがいがあるってものだな」
P「あ、そうだ。俺は、2年……高2の――」
P(――名乗る)
「おっと、私としたことが、自己紹介もせずに随分と話し込んでしまっていたね」
咲耶「私は咲耶――白瀬咲耶だ。よろしく、P」
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