キョン「なんのつもりだ?」ハルヒ「……行かないで」
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7:名無しNIPPER[sage saga]
2021/07/07(水) 22:49:53.58 ID:rcCzl30NO
「もういい」

中学時代の思い出に浸りながら下敷きでハルヒを扇いでやっていると、いきなり手首を掴まれて強引に煽ぐのをやめさせられた。

「満足したのか?」
「なんか今のあんたを見てると余計に不満」

やれやれだ。視界に入れるだけで不満とは。

「そいつは悪かったな」

溜息をひとつ吐いて席を外そうとするも、ハルヒが手を離してくれない。なんだこいつ。

「なんのつもりだ?」
「……行かないで」

そう呟いたハルヒの声はとても小さくて、たまたま聞こえたから良かったものの、聞き逃していたら恐らく何もかもが変わっていたに違いない。そのくらい、弱々しい声だった。

「悪かったよ」

結局、俺はあの頃から何も変わっておらず、負い目を自ら作り弱みを見せれば攻撃されることはわかりきっているにも関わらず、こうしてハルヒに謝ってしまう。でも、意外だ。

「うん……ありがと」

ハルヒの口から感謝の言葉が紡がれてその意味や意図がさっぱりわからなくても、先に謝って良かったなと、そう思えた。不思議だ。


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