441: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/11/12(金) 20:40:39.04 ID:4HZ8YDOAo
S1.ファーストデートi
私の名前は結標淡希。とある高校へ通う空間移動(テレポート)という超能力を持つ至って普通の女子高生。
そんな私に最近恋人ができた。
白髪赤眼で線の細い体格。ぶっきらぼうで偏食家で面倒くさがり屋でいつでもどこでも昼寝をしているような、同じ家に居候している同居人の年下の男の子。
一週間前に一緒に行った遊園地の観覧車の中で、私の方から告白をし、それを受けてくれたことによって恋人同士となった。
思春期真っ盛りの女子高生からしたら初の彼氏ができるということは、それはもうとてもとても嬉しく、毎日がウキウキワクワクみたいな感じである。
まさしく人生が薔薇色になるとはこのことなんだろうとハッキリと言える。
そんな誰にでも自慢したくなるような状況だけど、その現場にいた子以外の同居人にはこのことはまだ話してはいなかった。
なんというか、今更そんな関係になりましたと面と向かって言うのが恥ずかしくてまだ話せずにある。
いつか自分から話そうとは思っているが、果たしていつになることやら。
まあ、その同居人二人のうち一人はニヤニヤしながらこっちを見ていたりするので、気付いていそうではあるが……。
そんな人生の絶頂期にあるであろう私には一つの悩みがあった。
先程言ったように、彼と私が恋人となったのは一週間前である。七日間経っているのである。当日を除いたら六日間。
六日間もあったらやりたいことは学生レベルなら大抵何でもできると思う。たぶん。
そんな日数経っているのにも関わらず、私と彼の間には――。
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