結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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373: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/10/15(金) 20:30:55.93 ID:5KotB6GBo


16.迷い


〜回想〜


March Forth Tuesday 08:00 〜修了式の日〜

-第七学区・とある公園-


一方通行「…………」ピッガチャン

一方通行「…………」ガチャリガチャリ

一方通行「…………」←ベンチに座る


一方通行「…………はァ」



『――私は、貴方のことが、一方通行のことが好きってことなのよね』



一方通行「さて、どォすりゃイインだこれ」


一方通行(風邪で寝ているときに気配を感じて、意識を覚醒させたと思ったらあの女が妙なことをつぶやきやがった)

一方通行(このクソ野郎が一生かけてもらうこともねェだろう言葉をだ)

一方通行(まさか、ヤツが俺をそォいう対象で見ているなンて思いもしなかった。気付けやしなかった)


一方通行「…………いや、違うな」


一方通行(本当は既に気付いていたのかもしれない。なぜなら思い当たる節が腐るほどあるからだ)

一方通行(クリスマスやスキー旅行、バレンタインや花見、他にも些細な日常の中にも気付けるポイントが沢山あったはずだ)

一方通行(なのに、あの言葉を聞いてここまで驚けるっつゥことは)

一方通行(無意識のうちに、気付いていないフリをしていたのかもしれない)


一方通行「……チッ、こンなンじゃ上条のこと笑えねェな」


一方通行(とにかく、俺はアイツの気持ちを知った上でこれからどォするのかを考えなきゃいけねェ。……いや、それは考えるまでもねェか)

一方通行(そもそも俺とアイツは、互いの気持ちがどォあれ決して結ばれることがない存在だからだ)

一方通行(なぜかというと、アイツの抱えている一番の問題である記憶喪失、それの原因が紛れもないこの俺、一方通行だからだ)

一方通行(去年の九月一四日。アイツと俺は敵対関係にあり、交戦し、その戦いの結末は俺の一撃で決した)

一方通行(それが原因でアイツは記憶を失い、そこからどォいうわけか、俺とアイツは同じ家に居候する同居人になり、同じ学校に通うクラスメイトという関係になっていた)

一方通行(アイツはこのことを知らないだろう。知っていたら、あンなに馴れ馴れしく接してきたり、昨日みたいな馬鹿な言葉を吐くこともなかっただろォ)

一方通行(……つゥか、何で俺はこの真実をヤツに伝えていなかったンだ? 今まで機会がなかったわけじゃなかっただろうに)

一方通行(さっさと伝えていれば、こンな面倒な事態にならなくて済ンだっつゥのに何やってンだ俺はァ)

一方通行(単に伝えるのが面倒臭かったからか? 喋ることが原因で血みどろの闘争が起こるかもしれないことを警戒したからか?)



一方通行「……そォじゃねェ。伝えなかったンじゃない。伝えられなかったンだ」







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