189: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2021/08/20(金) 22:27:09.76 ID:9mCcFctro
同日 21:00
-第三学区・とある高級ホテル前-
垣根「……ふぅ、やっぱ何か食った気がしねえな」
海美「あれくらいでちょうどよかったわよ。だいたいああいう店はお腹一杯にするのが目的じゃないわ」
垣根「コスパが悪いっつーヤツだな」
海美「……やっぱりあなたには似合わないわね、ああいう店は」
垣根「チッ、まあもう来ることもねえから別にいいけどよお」
海美「そういえばまだ聞いてなかったわね。何でこの店を選んだのかを」
垣根「ああそうだ。これを言っとかなきゃ俺のホワイトデーは終わらねえんだった」キリ
海美「な、何よいきなりそんな真面目な顔して……」
垣根「ああ。これは今日絶対にお前に言っときたい言葉があってな」
海美「……えっ、そ、それって」アセ
垣根「よーく聞け心理定規……いや、 獄彩海美」
海美「ちょ、急に本名で呼ばないでちょうだい、き、気持ち悪い……!」ドキン
垣根「チッ、うるせえな別にいいだろ面倒臭せぇヤツめ。まあいい、よく聞け心理定規」
海美「……は、はい」ドキドキ
垣根「ざまあみろクソガキが!」
海美「……え?」
垣根「お前バレンタインのときに散々俺をガキ扱いしやがっただろうが。だがよお、今日のホワイトデーのお返しを思い出してみろ!」
垣根「高級ホテルで食事。サプライズの花火。こんなもんそこらのガキじゃ出来ねえ。つまり俺は超絶完璧な大人っつーわけだ」
垣根「思い知ったか心理定規! この俺の『大人』なホワイトデーっつーのをよお!」
海美「…………はぁ」
垣根「あん? 何だその残念なものを見た後のため息みてえなのは?」
海美「別になんでもないわ。私ちょっと気分が悪いから先帰らせてもらうわ」
垣根「そーか。じゃあここでお開きだな。お前絶対今日のことを、かけがえのないひと時として記憶の中に永久保存しとけよ」
海美「……そうね」
垣根「あん?」
海美「たしかに楽しいホワイトデーだったわよ。こんなの初めてだったし、たぶん忘れることもないわ」
海美「ありがとうね、垣根」ニコッ
垣根「……お、おぉ」
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