堀裕子「ぴーぴーかんかん?」
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75:名無しNIPPER
2021/06/24(木) 16:00:58.81 ID:I9OmqLYR0
雨の降る六月だった。
朝過ぎから降り続けていた雨は午後になってその勢いを強め
喧噪に塗れたその街を洗い流すように降り続けていた。

彼が居る映画館からは多くの人が見える。
雨に濡れながらも帰路を急ぐ者や、雨が降りやむまで適当に身を隠す者。その点において彼は後者だった。
仕事に向かう最中、突然の雨に降られてフラフラと誘われるように映画館へ入ったのが二時間前の出来事。

見たい映画なんてのも特になかったから一つだけ名前を聞いたことがあった青春映画を見ることにした。



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