堀裕子「ぴーぴーかんかん?」
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61:名無しNIPPER
2021/06/24(木) 15:47:52.44 ID:I9OmqLYR0
 俺があの頃の事を思い出すとき、記憶の中でそれはいつも映画のような物として再生される。

俺は映画館に居る。両手には何も持っていない。ポップコーンもドリンクもチュロスも何も。
当然だけど周りには誰も居ない、俺の隣の席にも、この映画館にも。
ただポツンと一人でその大きなモニターの前に立っている。

映画の前半は凄く退屈でつまらなかった。

一人の男が好きな女の子に「あぁでもない、こうでもない」
そう言って自分の心に嘘をついて左右往生する酷くありふれた陳腐な物語。
終盤になって主人公の男が自分の気持ちをやっと理解してから彼女のもとに向かって走り
想いを伝えようとするシーン。そこで観客はやっと物語が佳境に入って面白くなったなと思う。
でもそれは結局違う。


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