【安価・コンマ】「ゼロウス?」【オリジナル超能力ものディストピアSF】
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64: ◆te6Chm3tjE[saga]
2021/06/23(水) 20:25:42.42 ID:tCAVTyQ10
指定時間から15分前の8時45分。俺が指定された倉庫付近は人気がなく寂れていた。
外はまだ肌寒い。罠なのか、それともと思いながら俺は待ち続けた。
暫くした後に、目的の人物はやってきた。
黒のジャケットを着た目つきが鋭い少年だ。高校2、3年ぐらいの年齢だろう。
少年は俺をじろりと頭から爪先まで見るとゆっくりと口を開く。

「お前以外に人気はないか。つけられてはねえようだな」
「必死で逃げのびてきたんだ、俺と家族の身の安全は保障できるのか?」
「もう少し声を抑えろ……その前に確認だ」

少年が軽く地面に手をかざすと、砂利が少し持ち上がる。
この事件で罠の可能性はほぼ消えた。

「この程度ならお前もできるよな?」
「まともに動かしてないから、時間がかかるかもしれないが」
「かまわない、時間をかけてもいいからそこから動かず地面に手を伸ばせ」

俺は手を砂利にかざすと、砂利がわずかに数センチ分だけ浮き上がった。
それを確認した途端に少年はやっと雰囲気を和らげてくれた。

「全くテレキネシスを使っていなかったのか」
「力が強くなったところで、俺の問題が解決すると思わなかった」
「利口だな、それなりに頭は回るらしい」

「合格だ、俺はロホと呼ばれてる。ついてこい」
「俺の名前は……」
「今は言わないほうがいいだろう、どうせ捨てることになるだろうしな」

どうやら徹底しているらしい。俺はむしろ安堵した。
俺はロホの後ろをついていき、僅かな希望へと歩みを進めた―――。

ゼロウスと接触しました


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