【安価・コンマ】「ゼロウス?」【オリジナル超能力ものディストピアSF】
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167: ◆te6Chm3tjE[saga]
2021/06/27(日) 20:02:03.43 ID:17xUk1t20
「眠ぃな」
「ちゃんと警戒しろよ……誰か来るぞ!」
「なに!?」

欠伸をしながら見張りをしていた警備員2人は、遠くの茂みの中で小さな人影を発見した。
この秘密基地は立ち入り禁止表示の遥か奥に隠されている。部外者に発見された場合は相手が何者であってもただちに撃ち殺せという命令がこの二人には課せられていた。
双眼鏡を覗くと、どこか困ったような表情をした、人のよさそうな老婆が一人だけだった。
大方ボケて迷い込んできたのだろう。

「どうする?流石に殺すのは罪悪感があるが」
「俺が注意をしに行ってくる」

同僚も似たような考えだったのだろう。この施設さえ見られなければ問題はないはずだ。
見張りの同僚は、老婆にゆっくりと近づいていき。

音もたてずに膝から崩れ落ちた。

「なに!?」

もう一人の警備員は銃を構える。明らかに異常事態だ。
老婆は武器を持っていないようだが、なにかされたに違いない。
躊躇いなく銃の引き金を、老婆に向かって引こうとした次の瞬間。

「ああああ!」

警備員が叫び銃を取り落とす。彼の腕を小さな鉄球が貫通していた。
筋がきれたのだろう。腕からは大量の血が飛び散り、だらりとぶら下がっている。
警備員は痛みと恐怖にかられて無線機に叫んでいた。

「ゼロの襲撃だ!見張りが瞬殺され俺も負傷!東に300メートル前方、老婆が一名!かなりの使い手と推測される!」

その報告が終わると同時に、警備員の意識は途切れる。
脳天を鉄球に貫かれた男は、訳も分からずに脳梁を地面にぶちまけて倒れて死んだ。


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