7: ◆ivbWs9E0to[saga]
2021/06/12(土) 17:09:37.49 ID:Rn+1RG8T0
壁に掛けられた時計を見るとまだ午後八時。確かにまだ寝るには早い。でも、ただ観測と計画をしている自分と違って、げき子はずっと歩き続けているのだ。疲れていないはずがない。杏奈だって、出演者として体調は万全に整えておかなければならないのだ。だからといってゲームを我慢して逆にストレスを溜めるのも……。ロコはぐるぐると思考を巡らせながら唸っていた。
「ワンアワー……あっ、一時間だけですよ、アンナ」
「ロコちゃん、ますますお母さんみたい」
「ね、早くやろ……♪」
げき子の腕を引っ張って観測部屋の外に連れ出そうとする杏奈。ズルズルと引き摺られる勢いで運ばれていくげき子が、ドアノブの横についているダイアルを回そうと手をかざすと、げき子がダイアルに触れる前にダイアルがカリカリと回りはじめ、針先は千草色のプレートに止まった。
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