【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」【安価】
1- 20
883: ◆FaqptSLluw[saga]
2021/07/19(月) 23:53:58.01 ID:/dmU8I1q0
「ちっちゃい花火だ……」
「小さいだろ? ほかの花火よりも小さくて、落ちる時間が早いんだ」
「え、だったら大きくしたらいいとマヤちん思いまーす」
「まだまだ子供だなぁ、マヤノ。これがいいんだよ、これが」


 マヤノは首をかしげながらも、俺の言葉を待っている。


「こうして光を眺めてるとさ、今までのことを思い出さないか?」
「今までのこと?」
「そうだ。メイクデビューから京都JS、皐月賞――。今まで俺たちが辿ってきた道筋のことを」


 じっ、と。両の瞳が線香花火を見つめる。


「……ぼんやりと、浮かんでくるかも」
「だろ? こうして線香花火をつけながら話す――そうすると、ちょっとだけ自分に正直になれる気がするんだよ」
「正直に――」
「ああ、正直になれるんだ。大人のくだらないプライドとかさ、考えてることとか――全部まろやかに、線香花火の光が抜き取ってくれるんだよ」


 ぱちりと、花火が弾ける。


「マヤノ、俺が上の空だった理由なんだけどさ」
「……うん」
「君に見惚れてたんだよ。恥ずかしかったから今朝は言えなかったけど」
「……そっか。そっかぁ……えへへ、嬉しいかも」
「――怒らないのか?」
「どうして怒るの? トレーナーちゃんが、マヤにめろめろってことでしょ? だったら怒る理由なんてないよ〜」


 そうか、と一つ息をつく。


「あともう一つ。この際だから話しておこうかな、と思って」
「……うん。何でも聞くよ」
「ループについて、話したろ?」
「うん。目標を達成できないとループするって」
「実は隠してることがあるんだ」


 ここで初めて、マヤノが俺のほうを向いた。


「隠してたこと……。ううん、怒らないよ。多分、今まで隠してた理由って――マヤのことを考えて、だよね」
「そうだ。このことを伝えるかどうかは、正直ずっと迷っていた。でも、伝えなきゃ、きっと後悔するだろうから」
「……マヤは、トレーナーちゃんの全てを受け入れるよ」
「……。ありがとう」


 一つ、息を呑む。

 ぱちり。花火が弾ける。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/543.55 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice