【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」【安価】
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763:いぬ ◆FaqptSLluw[sage saga]
2021/07/12(月) 22:14:14.09 ID:pOcJTj9c0
「歓迎ッ! 待っていたぞ、トレーナー!」


 扉を開くなり飛んでくるのは、秋川理事長の大きな声だった。夕方も遅い時刻で、静まり返っている校舎に、まるで沁み込むように響いた。


「着席ッ! とりあえず座りたまえ!」
「……では、失礼して」


 マヤノと共に、来客の用の椅子に身を沈ませる。……やはり、日本有数の学園に置いてある調度品はかなり質がいいらしく、身を沈めているだけで疲れが取れてしまいそうなほどだ。

 ふとマヤノの方向を見ると、何故ここに連れてこられたかわかっていない様子で、少し緊張気味のようだ。軽く頭を撫でると、わ、と声を漏らしてこちらを見つめる。

 少しの間撫で続けると、緊張がほぐれてきたのか、いつも通りの朗らかな笑みを浮かべ始めた。……いや、いつものというには少しふやけ過ぎているかも。

 ごほん、と。ふと理事長の咳払いが響き、俺はその手を止める。不満げなマヤノのことはちょっと見ないふりをして、秋川理事長へと視線を注ぐ。


「傾注ッ! 今日は二人と――主にトレーナー君関連のことで話し合いがしたい!」
「……トレーナーちゃん関連で?」
「肯定ッ! マヤノトップガン、君も知るところにあるのではないか?! 彼の事情について……」


 そういわれて、マヤノははっとした表情になって、俺の方を見る。

 驚きを露わにしている表情を読み取るに――話したの? と伝えたいらしい。

 俺がこくりと頷くと、マヤノは一つ頷いて、秋川理事長の方へ向き直る。


「継続ッ。どうやら君たちの中でも共通認識であるようだ。みんなも知っての通り、トレーナーくんはとある事象に巻き込まれているッ!」
「……ループ、だね」
「そうだ。俺は”達成目標”をクリアできないと五月――メイクデビュー手前まで時間が巻き戻る」


 秋川理事長は頷いて、扇を閉じる。その先端を唇に当てて、憂うように眉を下げた。


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