【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」【安価】
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74:いぬ ◆FaqptSLluw[sage saga]
2021/06/12(土) 12:44:37.62 ID:ICXtl3UQ0

▼トレーナー白書を獲得した!

▼因子[全身全霊★☆☆]を獲得した!

▼スキル[俯瞰視]を獲得した!

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―――
――

 視界が暗転する。
 僕が今どこにいるのか。あるいはそもそも生きているのかすらわからない、無限に等しい闇が僕の視界を覆っていた。

――スペシャルウィークの走りを見届けてから早一時間が経過した。

 最後に自身の"願い"――"想い"かもしれないが――を取り戻した彼女は、見事な走りで駆け抜けた。このままいけば、日本一のウマ娘になることもそう難しいことではないだろう。
 あの日、あの時の彼女の走りを見て、彼女を放っておくものはいない。あの世界で僕の扱いがどうなっているかはわからないが、スペシャルウィークが悪い方向に進むことはもう、ないと思えた。

……そう、僕にはもう認識できている。
 何かしらの条件を果たしたか、あるいは規則性に従って僕はループしているのだと。理解しなければならないかのように、認識が"植え付けられている"のだ。
 何が起こっているのか語るには、余りに情報が足りない。兎にも角にも、僕は今時間の流れの中に居るのだろう、と思う。

 ふと、視界が開ける。
 大小さまざまなモニターが浮かぶ部屋だった。
 得た所感を、語弊を覚悟して言うと――監視室のようだ、と思った。
 そこには生物はいない。ただ、モニターとそこから繋がれたケーブルが世界を埋め尽くしているような部屋だ。どこまでも、無機質な。
 僕がモニターの前に立つと、一人でにモニターが立ち上がった。まるで歓迎するように一度明滅し、その後、何かの映像を流し始める。

――トレーナーさん……? どこですか……?

 スペシャルウィークだ。もう夜だというのに、学園内部を探し回っている。
 見れば、彼女の友人までもがトレーナーを……多分僕を探していた。
 ひどく取り乱した様子だった。それもそうだろう、目の前で人がいなくなれば、焦りもする。
 どこですか、どこですか……と、必死に探し回る彼女の姿は、昼間見た勇猛なそれとは似ても似つかない。どことなく憔悴したような面持ちだ。

「……ごめんな」

 思わず声が漏れる。
 導いてやれなかったこと。日本一に出来なかったこと。……目の前から消えたこと。
 もう探さなくてもいいんだよ、と声をかけても、きっとあちらには届くまい。
 僕にできることは、彼女の今後を切に祈ることくらいだろう。

 気付けば、僕の後ろに扉があった。
 扉を潜れば、またあのループが始まる。
 それはきっと――理事長が設けた夢の祭典……URAファイナルズを勝ち残るまで終わることはないのだろう。
 どれだけ長い旅路になるか、予想すらできない。でも、動かないことには始まらない。

「……頑張れよ、スペシャルウィーク」

 静かな部屋に、僕の声だけが、反響した。
 やがて、扉は――開かれる。




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