【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」【安価】
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33:いぬ ◆FaqptSLluw[sage saga]
2021/06/10(木) 00:27:35.52 ID:DxMttZ320
――異次元の逃亡者。

 世界を切り開くが如きスピード。
 第四コーナーを回り、最後の直線でなおも加速する、異次元の末脚。
 先頭の景色を誰にも譲らず駆け抜けていく彼女を、人々はそう呼んだ。
 遠距離に適性がないのか、それとも今まで隠されていたのか。彼女――サイレンススズカが長距離のレースに出てくることは、今まで一回もなかった。
 それがここにきての出走。観客も沸かずにはいられない。

―――

スペ「スズカ先輩……」

トレーナー(あれはサイレンススズカじゃないか……。こんな長距離を走らせて大丈夫なのか? なんにせよ見ものだな)

トレーナー「……気になるか、”異次元の逃亡者”が」

スペ「……はい。それに、マイルや中距離に強いスズカ先輩が長距離でどこまで通用するのかも気になりますね」

トレーナー「僕も、周りのみんなも同じ気持ちだ。それだけの実績が、あのウマ娘にはある。”一芸に秀でる者は万芸に通ずる”とも言うしな」

スペ「頑張ってください、スズカ先輩――っ!」

トレーナー(……とは言ったものの、やはり彼女の適正はマイルや中距離。長距離では彼女自慢のスピードも、異次元のノビもどこまで通用するかわからない。もしかすると通用しないかもしれない)

トレーナー(だが、これから様々な壁にぶち当たるスペシャルウィークにとって、挑戦するウマ娘の存在は大きな光になるはずだ。それが彼女が憧れてるっぽいサイレンススズカならなおさら)

トレーナー(……意気軒昂の為にも、ぜひ勝ってほしいものだけど)

―――

 ナレーションが高らかに響き、パドックに居たウマ娘が続々とゲートインする。
 いずれも名だたる名馬だ。ゲートインするだけでも大きな歓声が上がり、拍手が響く。
 レースに向けて神経を集中させるウマ娘。彼女らの調子に乗せられるように、観客もまた、水を打ったように静まり返る。
 数秒。息遣いしか聞こえてこない静寂。――そして、爆発。
 ゲートが開かれ、せき止められた水のように一斉にウマ娘が駆け出していく。

―――

トレーナー(さて、出だしは上々。どうなるかな)

―――



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