【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」【安価】
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いぬ
◆FaqptSLluw
[sage saga]
2021/06/23(水) 21:24:36.38 ID:y3V1ik3n0
■閑話:休日の一幕
「――ねぇ、トレーナーちゃん」
「ん、なんだ?」
「トレーナーちゃんは、お休みの日でもお仕事してるの?」
「んー……。まぁ、これはお仕事っていうよりも、資料をまとめてるだけだ」
トレーナーとはウマ娘のために最善を尽くす職業だ。この資料も担当ウマ娘――マヤノトップガンの育成論についてまとめたもの。つまりはまぁ、広義における仕事ではある。
とはいえ、ここで正直に答えてしまっては、マヤノに余計な気を使わせてしまうことになるだろう。なぜせっかくの休日を使ってまでトレーナー室に入り浸っているのかはわかりかねるが、俺を訪ねたのであれば最低限の気遣いはしなければ。
コーヒーの苦みで気分をリセットして、再度資料の編纂に向き直る。マヤノトップガンのこれまでの試合をデータ的に振り返って、何が課題点なのかを洗い出す作業なのだが――。
「ねぇトレーナーちゃん」
「なんだ?」
「今から、マヤが言うことに全部"いいえ"って答えるゲームしよ!」
「……まぁ、それくらいなら」
マヤノは来客用のソファから立ち上がり、こちらへと向かってくる。そして、執務机の真ん前に立つと、一本指を立てた。
「トレーナーちゃんは、マヤのことがキライ?」
「いいえ」
「じゃあ――トレーナーちゃんは、お仕事が好き?」
「いいえ」
「じゃあトレーナーちゃんは……。猫が好き?」
「いいえ」
本当は好きだ。だが、そういう趣旨のゲームなので"いいえ"と答えておく。
一体どういう意図があるのかさっぱりだが、今まで凝り固まっていた思考をほぐすのにはちょうどいいくらい、脱力感があるゲームだ。ただただ与えられる質問にNOと答えるだけでいい。なんてラクなゲームなのだろう。
その後もマヤノの質問は続いた。やれ好きな食べ物はラーメンではないだの、やれ好きなレース場は短距離だだの、良く解らないし、回答に困るような質問ばかりだ。
それにしても、回を追っていく毎にマヤノがうきうきとし始めたのだが――何か考えがあるんだろうか。気にするだけ無駄か……。
「トレーナーちゃんは、青が好き?」
「いいえ」
「トレーナーちゃんは、赤い部屋が好き?」
「いいえ」
「トレーナーちゃんのコーヒー、マヤが飲んじゃダメだよね?」
「いいえ」
……ん?
「わーい。じゃあ、トレーナーちゃんのお膝に座っちゃダメだよね?」
「いいえ――って、ちょっと待て」
「だーめ! もういいえって言いましたー!」
そういうなり、ルームウェアに身を包んだマヤノが膝の上に載ってくる。慌てて抑えようとするが――抑えられない!
人間とウマ娘の――文字通り馬力の力を見せつけられ、なすすべなく彼女は俺の膝上に座ってしまった。
目の前でにんじん色の髪の毛がゆらゆらと揺れる。ふわふわと漂う甘いにおいは、この前とは異なるトリートメントの匂いだろうか。
そういえば副会長――エアグルーヴがしっぽケア用のトリートメント云々で悩んでいたと風のうわさで聞いたが……努力が結実したらしい。よかったな。
……いや、今はそんな現実逃避をしている場合じゃない。ぱたぱたと揺れるしっぽが太腿を撫でる。前にかがむような体勢になっているところを見れば――恐らくはコーヒーを取ろうとしているのだろう。
―――
下1 さて、トレーナーはどうする?
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