【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」【安価】
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いぬ
◆FaqptSLluw
[sage saga]
2021/06/21(月) 20:45:42.23 ID:JAakaxgy0
――嵐の前の静けさ、春の東京競馬場には、まさしく静寂が横たわっていた。
他のウマ娘たちが粛々と勝利に向かって疾駆する中、後半の列には曇天のような威圧感があった。
さながらブラックホールのように、客の視線も、あげるべき歓声も、応援の声も――ナリタブライアンに吸い込まれる。
ターフの蹴る音も。呼吸音も。衣すれの音も。全てがこの場から消え去ったかのような、特濃の存在が今も怜悧に先頭を見据えていた。
均衡が破られたのは、それからしばらくして、先頭集団が第四コーナーに差し掛かった時だった。
――突如として、東京競馬場に影が差した。
五月晴れの空に、まるで唐突に暗幕を垂らしたかのような、濃密な"予感"がウマ娘たちを、観客を、あるいはその場にいた全ての法則も覆ってしまった。
まるで因果が結実したかのような。そんな濃密な予感。
かくして、死神の行脚が、ターフの悉くを殺しにやってくる。
突如として大外に躍り出たナリタブライアンは、その驚異的な業脚でぐんぐんと加速していく。
外に出たことにより、その分だけ距離のロスが発生するが――しかし問題なかった。むしろそれが正しい選択だった、とすべては察知する。
ひと際強く、ナリタブライアンがターフを蹴りつけた。
シューズの形にターフが削り取られ、風すら切り裂くような末脚が先頭集団に突き刺さる。
まさしく蹂躙だった。ナリタブライアンというウマ娘の前には影が出来ない――影を恐れぬ、まさしく"怪物"である所以を示すように、バ身を広げていく。
1つ、2つ、3つ。まだ足りない。4つ、5つ、6つ――そして7つ。
最早後続のウマ娘たちは、彼女の影を踏むことすら許されなかった。歴史的な、あるいは史上類を見ないほどの大差をつけて――ナリタブライアンは今、一着の栄誉を掴み取る。
――こうして天皇賞には、影が差さされた。
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