【ウマ娘】トレーナー「なんかループしてね?」【安価】
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173:いぬ ◆FaqptSLluw[sage saga]
2021/06/19(土) 14:17:38.77 ID:cLiN9Ma70
――ターボ、あの場所に立てるかなぁ。


 ふと、棒切れのような体に記憶がよみがえる。

 走っているのか歩いているのか、そもそも立っているのかすらわからない状態。

 走馬灯のようなものだろうか、とターボは素直にそう思った。

 であれば、もう自分は此処に居ることはできないのではないか、とも。


――絶対■■■よ、トレーナー。


 今此処からいなくなれば、果たせない約束があった気がする。

 朦朧とする意識。ツインターボは必死に記憶の中の声を追い掛けて走っていた。

 一体どんな約束だっただろう。ターボは、どんな思いでそれを誓ったんだろう。

 ちかちかする視界。もうじきシャットアウトしそうな思考。それらすべてのリソースは、いま記憶の追跡に用いられている。

 欠けていた言葉を、誓った言葉を思い出すために。


――絶対勝つよ、トレーナー。


 ああ、そうだ。絶対勝つって、誓ったんだ。でも、もうだめだ。勝てない。

 息が苦しい。倒れてもいい?

 ターボの意識が、彼女自身にそう訴える。

 倒れたほうが楽になれる。この苦しい思いからは救われる。

 でも、それで本当に――ターボは自分のことを許せるの?


――許せない。トレーナーに負けないって約束したからっ!


 ああ、そうだ。最初から彼女の本質は"それ"でしかなかった。

 練習を頑張ったのも、今もこうして走り続けているのも、"それ"が彼女の本質で、それを理性が、本能が違えることのないようにし続けてきたからだ。


「これが……」


 それは咆哮だ。


「これが……っ!」


 それは、何度踏まれようとも立ち上がる不抜の魂だ。

 人はそれを――。


「これが、諦めないってことだァああああああああッ!!!!!」


 不撓不屈の魂。

 即ち、諦めが悪い、と呼ぶ――!


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