小林「あなたは……誰ですか?」トール「……えっ?」【小林さんちのメイドラゴンSS】
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60: ◆bhlju8wMK6[saga]
2021/06/07(月) 23:13:07.36 ID:RHOuKnm+0

トール(……驚き過ぎて、勢いですぐ通話切っちゃった…… でも……)ハア、ハア

トール(今…… 確かに『お前は誰だ』と…… はっきりと聞こえた……)ハア、ハア

トール「そんな…… あのファフニールさんまで……? そんな馬鹿な……」ギリッ

トール「……っ…………っつ…………っ…………!!」ギュウウッ

トール「いや、落ち着け……! そうだ……ファフニールさんが駄目でも、ルコアさんなら……!」

トール「もう一度、受話器を――――」ビタッ

トール「――――――――?」プルプル

トール(手が、動かない)プルプル

トール(何を躊躇っているんだ、私。ここは確認しなきゃいけない所じゃないか)

トール(早く、ルコアさんにも連絡しろ。確認するんだ。もしかしたらルコアさんは、私を覚えていてくれてるかもしれないじゃないか)

トール(さっきのだって、ファフニールさんの魔術的防衛がなってなかっただけで、ルコアさんは大丈夫な可能性だってあるじゃないか)

トール(正直ファフニールさん、色々抜けてたり天然だったりする所あるし、ハハッ、あり得るあり得る……)ハハハッ……

トール(……でも)

トール(ルコアさんでも、駄目だったら?)

トール(ルコアさんにも『君は誰?』なんて言われるかもしれない。もし、そうなったら……)

トール(ルコアさんは、私が知る中でも随一の力を持つドラゴンだ)

トール(ずっと昔に実力を見たくて勝負を挑んだ事があったけど…… 全力でやっても手も足も、爪も牙も翼も出なかった)

トール(本気がどれ程の力量なのかすらも伺い知れない…… そんな彼女すら私の事を忘れていたら、それはもう……)

トール(……駄目だ…… その可能性を考えるだけで、怖くて…… 確認できない……)



トール「……………………………………………」ギュウウウウッ……



………………………

ガチャリ キイッ パタン……




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