小林「あなたは……誰ですか?」トール「……えっ?」【小林さんちのメイドラゴンSS】
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◆bhlju8wMK6
[saga]
2023/03/27(月) 22:47:59.84 ID:Mi2UAr//0
小林「――昔のある哲学者が言ったとされる言葉にこんなのがあります。『ある事柄を説明するためには、必要以上に多くを仮定するべきではない』」
滝谷「いわゆる『ベッカムの髪切り』というやつだね」
小林「いや『オッカムの剃刀(かみそり)』ね。それだと有名人が散髪してるだけだからね」
滝谷「ヘアスタイルは哲学……!」キリッ
小林「はいはい、無理に緊張ほぐそうとしなくて大丈夫だから。話進めるよ」
滝谷「はい(´・ω・`)」しょぼーん
小林「……さて、その言葉に従うなら、さっきルコアさんが言った様に、証拠もないのに無闇に敵を想定するのは合理的ではない事になります」
トール「はい。先程のルコアさんのシミュレーション仮説の様に、半ば事故的に発生した事態である可能性だってあるのですもんね」
ルコア「ああ。だが僕の仮説では結局、記憶の差異について上手く説明できなかった。
小林さんはこの記憶の差異についてどう考えてる? どちらが正しい記憶だと?」
小林「そこです、私が疑うのは」ビシッ
ルコア「ん?」
トール「と言うと?」
小林「私達は無意識の内に、こう思い込んで、もう一つ不必要な仮定をしていたんじゃないですか?
『トールちゃんの記憶と私達の記憶、二つの記憶に明確な差異があるなら、それは少なくとも一方が間違っている』と」
ルコア「…………!」ピクッ
トール「……? え、でも、それは当然の前提では? だって実際二つの記憶は互いに矛盾していて、両方が成り立つ事は……」
小林「勿論、普通に考えればその通りだ。現実に起きた出来事が一通りだけであれば、その正しい記憶も一通りだけが当たり前……」
小林「でも、そうではない場合があるとしたら? トールちゃんの記憶と私達の記憶、どちらも間違ってない正しい記憶である可能性もあるとしたら?」
トール「……!? 小林さん、それは一体……?」
小林「一見矛盾する二つの記憶が両方とも成り立つ場合…… それは、その二つが実は、別々の対象について述べていた時だ」
トール「どういう……意味ですか」ゴクッ
小林「………………………」
トール「……小林さん?」
小林「……その、うん。まあまだ証拠もないただの仮説だから、話半分で聞いてもらっていいんだけど……」ゴニョゴニョ
トール「……言いにくい事なんですね? 多分、また私にとってショックな内容だから」
小林「う゛。その…… はい」コクリ
トール「大丈夫ですよ小林さん、その優しさだけで充分です」フルフル
トール「今更遠慮は要りません。さあ思い切り言って下さい、ラグナロクを告げる予言の巫女の様に!」ドーン
小林「いや、そこまで破滅的な内容ではないよ!? ……でも、うん、分かった。変に濁さず、まっすぐに言うよ」コクッ
トール「はい!」ニコッ
小林「――よく聞いて、トールちゃん。私はきっと、君の知っている“小林さん”じゃない。
君の知る“小林さん”ととても良く似ているけれど、厳密には別の存在」
小林「それは他の皆、滝谷君やドラゴンの皆さんも…… そしてこの世界すらも同様で、“そっくりさん”に過ぎないんだと思う」
小林「――この世界はきっと、トールちゃんにとっての並行世界なんだよ」
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