小林「あなたは……誰ですか?」トール「……えっ?」【小林さんちのメイドラゴンSS】
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◆bhlju8wMK6
[saga]
2021/11/28(日) 18:12:51.69 ID:bo7Z/2J70
滝谷「――全くもう、からかい過ぎだって……。あー、まだ顔暑い……」パタパタ
小林「ごめんごめん、つい、ね――」ケラケラ
トール「…………………………」ズズー
小林「――そう言えば先日実は、町を歩いてた時に偶然所長とすれ違ったんだけどさー」
滝谷「え、大丈夫だったかい?」
小林「うん、目が合った時にすごい恨みがましく睨まれはしたけど、
しばらくしたらバツが悪そうに顔を背けて、何も言わずそそくさと足早に歩いて行っちゃったよ」
滝谷「ああ、彼にとって小林さんは、結果的に自分の悪行を暴いた相手である一方で、現状、部署の業務を助けてもらってる相手でもあるからね……。
会社からもそこら辺、きつく言い含められてるだろうし、文句言いたくても言えないか」
小林「文句言いたいのはこっちの方だってのにねー、もう――」クダクダ
トール「…………………………」
トール(……これで、この1年間における『小林さん達にとっての記憶』については、大体聞き終わった様だ)
トール(驚くべき内容ばかりで、正直まだ頭が混乱している……)ヌヌウ
トール(でも、私の記憶と大きく異なるものの、お二人の記憶の話は終始筋道立っていて、矛盾や齟齬は感じられなかった)
トール(記憶の改竄自体は魔法で可能とは言え、この精度での辻褄合わせは上位存在でも極めて困難…… いや、到底無理と言っても良い程だ)
トール(一体何が起こっている? この記憶の相違にどんな意味が……?)
トール(くそっ、もう少し手掛かりがあれば、何か掴めそうな気がするんだけど――)
ピンポーン……
トール「!」ピクッ
滝谷「? 玄関のチャイムだ。誰か来たのかな……」
小林「今日は特に誰かと打ち合わせとかの予定は入ってない筈だけど…… 誰だろう? 滝谷君、宅配でも頼んだ?」
滝谷「いや? 僕も検討つかないな……。訪問販売や、ただの部屋間違いとかじゃ……」
ピンポーン!
???「――ごめん下さ〜い……!」
トール「…………!!」ガタッ
滝谷「うわっ!」ビクッ
小林「トールちゃん? 立ち上がってどうしたの――」
トール(この声、それにこの気配…… まさか……!)ドクン
ピンポーン、ピンポーン!
???「――あの、すみません! ここにトール君…… いえ、トールという名の女の子が来ていませんか!?」
トール「まさか、ルコアさん……!?」ザワッ……!
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