【安価コンマ】貴方は世界を巡るようです 12巡目
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119: ◆Nq0wl2Ysns[saga]
2021/08/20(金) 04:19:34.17 ID:w5WtyvVn0
まだ寝てないのでセーフ! ごめんねこれだけ!



ドロシー「はぁ……」

図書館の本棚と向き合い魔法の資料を探しているというのにわたくしの頭には魔法以外のことがぐるぐると巡っていた。

……当然それはカラオケでユウナに睨まれてしまったあの出来事で……ユウナに謝ろうと思ったけど全然口をきいてくれなくて……。

ドロシー「いや逆、ですね。その悩みを忘れるためにこの図書館に来たんですよねわたくし」

魔法研究でもすれば夢中になって忘れてしまうと思ってたんですけど……どうにも上手くいかない。

ドロシー「仲直りの魔法……なんて殆ど洗脳ですよね、はぁ」

全ての魔法を習得するのが夢ですけど、そんな理由の為に覚える魔法何て不純ですね、不純。よくありません!

ドロシー「これと、あれと……あと、そこの――キャッ! す、すみません! 大丈夫ですか!?」

考え事をしながら本棚だけを見て歩いていたらうっかり人とブツかってしまった! や、やってしまった!

ハルエル「うわーもうビックリしたぁ……ううんだいじょぶだいじょぶ! 気にしないで!」

あははと笑いながら立ち上がるその女性は、わたくしとぶつかってしまったにもかかわらず本当に気にしていないようにそう言った。

ハルエル「こういうのあるよねー、私も夢中になっちゃうと周り見えなくなっちゃってついつい……おっ、君こういう本読むんだねー」

ぶつかってしまった際に落としてしまったわたくしの本を手に取りペラペラと捲り始める。一ページ一ページ捲るたびにうんうんと頷いて、その眼が輝いていく。

……どこか、少しわたくしに似ているようにも、感じた。

ドロシー「あ、あの。本を――」

ハルエル「ねえねえちょっと暇だし私と話さない!? あなた魔法について詳しそうだし、オタクって感じするし! どう!?」

ドロシー「えっ……え、あ、え?」

ハルエル「私の友達魔法について話せる人あんまりいなくてさー、ちょっとだけ! ほんのちょっとだけ、どう!?」

図書館ではお静かにというお決まりを全く気にせず、結構な大きな声で、彼女は捲し立てる。

な、なんかすごい人……。


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