8:名無しNIPPER
2021/05/23(日) 11:11:43.51 ID:VDGJuTNc0
「やっぱり樹里ちゃんはかっこいいです!!!」
ヒーローを語る時と同じ熱を帯びた目で、彼女は放クラのメンバーについて語り出した。私はそれを聞き、相槌を打ちながらお茶を啜る。
9:名無しNIPPER
2021/05/23(日) 11:12:45.48 ID:VDGJuTNc0
「あっ!?もうこんな時間…」
気づけば、日も暮れかかり、時計の針は六時を指していた。
「もう帰らないといけないねぇ」
10:名無しNIPPER
2021/05/23(日) 11:15:16.22 ID:VDGJuTNc0
「アタシ、おばあちゃんと一緒に住む!!!」
「あらあら…貴女には素敵な家族がいるでしょう?」
「…でも一番凄いのは、おばあちゃんだもん!!」
11:名無しNIPPER
2021/05/23(日) 11:16:49.90 ID:VDGJuTNc0
「アタシ、おばあちゃんと一緒に住む!!!」
「あらあら…貴女には素敵な家族がいるでしょう?」
「…でも一番凄いのは、おばあちゃんだもん!!」
12:名無しNIPPER
2021/05/23(日) 11:18:00.38 ID:VDGJuTNc0
「みんな?」
「うん!!!みんな言ってるよ!!!『あの人より優しい人は見たことがない!』とか『あの歳であの美しさは反則だ!』とか…」
あぁ、違うのよ、愛しい孫娘ちゃん。私は別に優しくも、美しくもないの。
13:名無しNIPPER
2021/05/23(日) 11:19:45.85 ID:VDGJuTNc0
「ふふふ、大袈裟ですねぇ」
「大袈裟じゃないよ!今日だって、アタシの話聞いてくれたし…いつも、アタシが来るたびに新しいお菓子を用意してくれる…歌もとっても上手だもん!!!」
「歌は好きだから続けているだけですよ」
14:名無しNIPPER
2021/05/23(日) 11:20:48.10 ID:VDGJuTNc0
「本当はね、いたのよ。私より優しいあの人が。私より美しいあの人が。私より美味しいお菓子をくれるあの人が。私より自分に厳しいあの人が。私はそれを真似してるだけ」
「えぇ!?本当に?」
「本当よ…もうみんな、随分前に遠いところにいってしまったけれど…」
15:名無しNIPPER
2021/05/23(日) 11:22:03.07 ID:VDGJuTNc0
「ええ本当よ、そしていつかは貴女もそうなるの」
「そんなの…無理だよ…アタシはおばあちゃんみたいになんて…」
「なれるよ」
16:名無しNIPPER
2021/05/23(日) 11:23:07.45 ID:VDGJuTNc0
「おばあちゃんも貴女くらいの歳のころはそうだったよ」
「えぇ!?おばあちゃんが!?嘘だよ!そんな話聞いたことないもん!」
そうね、確かに貴女から見れば私のわがままなんてイメージは無いのかもしれないわね。けれど…
17:名無しNIPPER
2021/05/23(日) 11:25:14.73 ID:VDGJuTNc0
「私はね、とても大きなわがままを言ったもの」
「…そんなに大きなわがままだったの?」
「えぇ、今後の人生に関わるような大きな大きなわがままを聞いてもらったの」
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