果穂「クライマックスガールズ」
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5:名無しNIPPER
2021/05/23(日) 11:07:11.27 ID:VDGJuTNc0
「それで?お兄ちゃんとどうして喧嘩になったの?」

「そうだ!聞いてよおばあちゃん!お兄ちゃん!アタシが見てたテレビのチャンネル勝手に変えたの!」

「あらあら」
以下略 AAS



6:名無しNIPPER
2021/05/23(日) 11:09:19.48 ID:VDGJuTNc0
「『お前はいっつもいっつもヒーロー見過ぎ』って…ついこの間まで、お兄ちゃんだって好きだったのに…」

 ただでさえ、背が大きくて、大人っぽく見られがちな彼女にとっては、家族だけは理解してくれると思っていたのだろう。もちろん、お兄ちゃんには裏切ったつもりはないのだろうけれど。



7:名無しNIPPER
2021/05/23(日) 11:10:30.29 ID:VDGJuTNc0
「それに今日はヒーローじゃなくて、ライブの映像見ようとしてたのに…」

「あら?そうなの?」

「うん!!!!放クラのデビューライブ!!!」
以下略 AAS



8:名無しNIPPER
2021/05/23(日) 11:11:43.51 ID:VDGJuTNc0
「やっぱり樹里ちゃんはかっこいいです!!!」

 ヒーローを語る時と同じ熱を帯びた目で、彼女は放クラのメンバーについて語り出した。私はそれを聞き、相槌を打ちながらお茶を啜る。


9:名無しNIPPER
2021/05/23(日) 11:12:45.48 ID:VDGJuTNc0
「あっ!?もうこんな時間…」

 気づけば、日も暮れかかり、時計の針は六時を指していた。

「もう帰らないといけないねぇ」
以下略 AAS



10:名無しNIPPER
2021/05/23(日) 11:15:16.22 ID:VDGJuTNc0
「アタシ、おばあちゃんと一緒に住む!!!」

「あらあら…貴女には素敵な家族がいるでしょう?」

「…でも一番凄いのは、おばあちゃんだもん!!」
以下略 AAS



11:名無しNIPPER
2021/05/23(日) 11:16:49.90 ID:VDGJuTNc0
「アタシ、おばあちゃんと一緒に住む!!!」

「あらあら…貴女には素敵な家族がいるでしょう?」

「…でも一番凄いのは、おばあちゃんだもん!!」
以下略 AAS



12:名無しNIPPER
2021/05/23(日) 11:18:00.38 ID:VDGJuTNc0
「みんな?」

「うん!!!みんな言ってるよ!!!『あの人より優しい人は見たことがない!』とか『あの歳であの美しさは反則だ!』とか…」

 あぁ、違うのよ、愛しい孫娘ちゃん。私は別に優しくも、美しくもないの。
以下略 AAS



13:名無しNIPPER
2021/05/23(日) 11:19:45.85 ID:VDGJuTNc0
「ふふふ、大袈裟ですねぇ」

「大袈裟じゃないよ!今日だって、アタシの話聞いてくれたし…いつも、アタシが来るたびに新しいお菓子を用意してくれる…歌もとっても上手だもん!!!」

「歌は好きだから続けているだけですよ」
以下略 AAS



14:名無しNIPPER
2021/05/23(日) 11:20:48.10 ID:VDGJuTNc0
「本当はね、いたのよ。私より優しいあの人が。私より美しいあの人が。私より美味しいお菓子をくれるあの人が。私より自分に厳しいあの人が。私はそれを真似してるだけ」

「えぇ!?本当に?」

「本当よ…もうみんな、随分前に遠いところにいってしまったけれど…」
以下略 AAS



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