高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「『あいこカフェ』で」
1- 20
20:名無しNIPPER[sage saga]
2021/05/16(日) 14:39:39.42 ID:eE/KPeRw0
 ――今日は店員の藍子ですから

 そう言った時の藍子は、どんな気持ちだったんだろ?

 新しいお客さんがやってくる。笑顔が、横顔の端から見える。けどそれが、アイドルとしての物なのか、店員としての物なのかは分からない。

 藍子はいま、どんな気持ちなのかな。

 ……キッチンにて、ハンバーグを焼き終えた藍子がふと顔を上げた。注文はスタッフさんに持っていってもらい、それから振り返る。
 私の目を見る。
 ぱちくりと瞬き。
 小首を傾げる動き。
 そして……にぱり、と笑う。

 私もつられて笑ってしまった。……あのね、スタッフさん。いまちょっと大事な話をしてるの。むふーって鼻息を吐くのはやめてね?

 えっと。……なんだっけ、もう! スタッフさんのせいで話が飛んで行っちゃったっ。
 藍子がどんな気持ちだったか、って自己疑問だよね。そんなの決まってるじゃん。

 今の藍子、すっごく楽しそう!

 楽しさの種類を考える、なんて無粋なことはしたくない。それよりはもっと藍子の楽しそうなところを見守っていたい。
 カフェはたった3日限定。まして藍子のせいで、時間はどんどんどんどん過ぎ去ってしまう。余計なことを考えてる暇なんてない!
 もっと藍子のことを見ていたくて、裏方という立場も忘れて、私は身を乗り出した。するとスタッフさんが負けじと膝を前へと摺り出す。違うって、そういうのじゃないってば……。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
43Res/82.00 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice