狐娘「妾は老いることも死ぬこともないケモノじゃ」
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30: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2021/05/15(土) 03:27:39.25 ID:mXZF2/3A0
――ピタッ
狐娘「………」
男「………」
狐娘「何故立ち呆ける。お主は本当にここへ死にに来たのかの?」
男「いえ……そんな怖いことするような人には見えなくて」
狐娘「……………」
狐娘「参った参った。降参じゃ」
狐娘「よもやこれほど話の通じぬ人間とは思わなんだ。大人しく尻尾を巻いて逃げ出しておればよいものを」
男「尻尾…」
狐娘「む?何を見ておる。触らせはせぬぞ」
男「! じゃあ、またあなたに会いに来てもいいんですね…!」
狐娘「勝手にせぇ」
男「」パアァ
男「えーと、花子、さん?」
狐娘「偽名じゃ。そのくらい察しておろう」
男「っ!」
狐娘「こやつは…大物なのか小物なのかよう分からんな」
狐娘「そうじゃの、妾のことは狐娘とでも呼ぶがいい」
男「それが本当の名前…?」
狐娘「あぁ」
男(狐娘さん、狐娘ちゃん、それとも……狐娘様?)
狐娘「………」
男「………」
狐娘「なんじゃ、今度はだんまりか。妾と話がしたかったのであろう?」
男「あ…いえ、訊きたいことがあり過ぎて逆にこんがらがっちゃうというか」
狐娘「ならばこちらから問うが、お主、呪術師の類ではあるまいな?」
男「じゅじゅつ…?ってあの、呪いとかそういうのですか?」
狐娘「ふぅ。その様子じゃとしらばくれてるわけでもないか。斯様に器用な真似が出来る玉でもなさそうじゃ」
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