狐娘「妾は老いることも死ぬこともないケモノじゃ」
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192: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2021/06/15(火) 02:06:03.09 ID:ZPgdfMxA0
男「白神様、ですか」
狐娘「そうじゃ。毛並みの白い猫の姿に、何より命の理を逸脱させ得る存在など、彼の一柱をおいて他におらぬ」
男「それって狐娘さんを不老不死にした…?」
狐娘「うむ。…如何な理由でお主に目をつけておったのじゃろうな。供物が無ければ代価をくれることも無い筈じゃが」
男「おんなじ神様から同じ能力をもらえるなんて、なんか姉弟みたいですね」
狐娘「お主のような兄弟なぞいらん」
男「即答…」
狐娘「…兄弟では嫌じゃ…」
男「はい?」
狐娘「何も」
男「僕も姉弟なんかじゃ、不満です」
狐娘「聞こえているではないかっ」
男「わっ…!暴力反対!」
狐娘「……ふぅ」
狐娘「しかし気の利かぬ男じゃ。布団の一枚でも持ってきていればいいものを。この先暫くは野宿じゃぞ?」
男「せめて買い物くらいしていきませんか?」
狐娘「阿呆。連中に見つかったらどうする。そも、金はあるのか?」
男「…ないです」
狐娘「妾もだ。社に戻れば幾許かの端金は残っておるが」
狐娘「ま、そういうことじゃ。これが主の選んだ道じゃからの、辛抱せえよ?」
男(そう告げる狐娘さんは、言葉の割には嬉しそうで…)
狐娘「さて、どこへ行こうか」
男「! あの、狐娘さん」
男「一箇所どうしても寄りたいところがあるんです」
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