狐娘「妾は老いることも死ぬこともないケモノじゃ」
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142: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2021/06/10(木) 19:04:34.56 ID:UgQBOwmV0
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男「……ん」

男(…暗い。ここが夢の中?)

男(どこなんだろう。よく見ると部屋みたいだ)

男(木造の床に大きな壺とか変な形の容器が何個も並べてある。普通の家じゃないのかな。お屋敷とか…?)

男(服も変わってる。さっきまで着てた洋服じゃなくてもっと質素な、甚兵衛?って言うんだっけ。よく覚えてないけど)



「――皆気がはやっててね、宴の準備も終わったそうだよ」



男「!」

男(うっすら声が聞こえる。外に誰かいるんだ)



「お前が選ばれて嬉しい。母として誇り高いよ」

「わらわを育てて下さったのは母様じゃ。全ての謝意は母様に捧げよう」

「ふふっ、お前は女王になるのだからもっと尊大であるべきだね」



男(女王…!ということは今話してる子供の声が、狐娘さん…?)



「儀は夕刻より始まる。それまで何も口にしてはいけないよ。その腹は白神様に捧ぐ神酒で満たす必要がある。そしてその神酒も、お前以外が触れてはいけない」

「はい」

「良い子だ。神酒はこの下だよ。緋色の、目立つからね、すぐに分かる。行っておいで」



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