【シャニマス 】果穂(16)「普通って、なんですか?」
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40:名無しNIPPER
2021/05/18(火) 16:54:13.06 ID:P7s9I4jP0
 コンビニまで行くと、待ち合わせの10分前なのに、いつもの場所に車が停めてあった。ナンバープレートが同じだから間違いない。早すぎる。
 たぶんプロデューサーさんは水か何か用意してくれているだろうけど、この喉の渇きをあの人に潤してもらうところを想像すると、なんだかムッと思うところがあったので、車に気づかないふりをして少し小走りにコンビニに駆け込んだ。
 少し急ぎ目に水を選んで、レジに急ぐ。小腹が空いてる気がしたけど、これから撮影だし、少しでもお腹を引っ込めておきたくて我慢した。
 案外、少し食べただけでも印象は変わる。今日の衣装は浴衣だと聞いてるけど、着付けの時にお腹にタオル巻かなくていい、なんて言われたら、ちょっと嫌かもしれない。
 この間夏葉さんに教えてもらったスマホ決済でお会計を済ませて、コンビニの自動ドアをくぐる。蝉の声は頭の中まで響くようで、姿も見えないのにどこから聞こえてくるんだろう、と視線を泳がせた。地面から陽炎が上がっている。もし地面があんな風にぐにゃぐにゃしてたらバランス取るの難しそう。
以下略 AAS



41:名無しNIPPER
2021/05/18(火) 16:54:38.17 ID:P7s9I4jP0
 撮影は驚くほどスムーズに終わった。本当は待ち時間があったけど、あたしの前の子が機嫌を悪くしてしまっていて順繰りにあたしの撮影が先になった。お仕事で機嫌を悪くするなんて、子役の撮影でもあったのかな。

「いやぁ、果穂ちゃんまた背伸びたねぇ!」
「はは、小宮も育ち盛りですので」
「昔からスタイル良かったけど今年はもう浴衣がバッチリ映えるねぇ、大人顔負けだよ!」
以下略 AAS



42:名無しNIPPER
2021/05/18(火) 16:55:18.65 ID:P7s9I4jP0
「果穂、入ってもいいか?」

 ドアをノックされて、全然問題はなかったけど、あたしは「少し待ってください」と声を張って、5秒くらい待って「いいですよ」と扉に話しかけた。

「お疲れ様、今日の撮影もバッチリだったな」
以下略 AAS



43:名無しNIPPER
2021/05/18(火) 16:56:03.07 ID:P7s9I4jP0
 着替えがないぶん早く帰れると思ったら、帰路で渋滞に捕まってしまった。

「ごめん……まだしばらく抜けそうにないな」
「プロデューサーさんは予定ないんですか?」
「今日はもうないよ、果穂は?」
以下略 AAS



44:名無しNIPPER
2021/05/18(火) 16:56:51.86 ID:P7s9I4jP0
「ただ無理にとは言わないし、疲れてるならやめておく……?」

 あたしが黙っていると、プロデューサーさんはミラー越しにこちらを伺ってきた。
 この人も、今は事務所のみんなが大人だし、一緒に行ける人がいないのかもしれない。この性格だし友達はいるだろうけど、これだけ仕事をしているのを見ていたらプライベートで遊ぶ暇もないのかもしれない。
 本当は早く帰りたかったけど、あんまり邪険にするのは良くない気がして、ミラー越しにプロデューサーさんの顔を見た。目が合う。なんかこそばゆくて、すぐそらす。
以下略 AAS



45:名無しNIPPER[sage]
2021/05/19(水) 12:47:24.99 ID:jIzyKTgRO
あーすきすき


46:名無しNIPPER
2021/05/21(金) 20:51:17.50 ID:+8ELAIim0
すみません
明日には続き投下します


47:名無しNIPPER[sage]
2021/05/21(金) 21:01:22.08 ID:Q/ECCXK3o
待ってます


48:名無しNIPPER[sage]
2021/05/22(土) 10:47:03.63 ID:DN0RLrODO
普通、普通ってなんだ?

に○か「小学生なのに身長は160越で、バストが80ある女の子じゃないのはたしか」

「……って、福丸さんが」
以下略 AAS



49:名無しNIPPER
2021/05/22(土) 17:09:52.15 ID:WLbdB1fd0
 車を停めた場所から5分程で、屋台が並ぶ河原の景色が見えた。焦げたソースの匂いがたちこめて、その中から砂糖の甘い匂いも漂ってくる。お腹すいた。どこからか太鼓や笛の音も聞こえてくる。でもこれは音質的にスピーカーのやつだな。

「何か食べたいものあったら言ってな」
「特にありません」

以下略 AAS



50:名無しNIPPER
2021/05/22(土) 17:10:38.58 ID:WLbdB1fd0
 いつだったか、プロデューサーさんと公園で身長の話をしたことを思い出した。たぶん、W.I.N.G.に優勝する前。あの頃のあたしは自分がまだまだ大きくなると思っていたし、この人の身長が平均より高いことなんて意にも介してなくて、「プロデューサーさんよりも背が高くなっているでしょうか」と言った覚えがある。
 全然そんなことなかった。今だって厚底を履いているのに、この人の頭のてっぺんは見えやしない。いくらあたしの身長が高くても、男女の差は簡単には埋められない。
 一段とソースの匂いが濃くなって、やっぱお腹すいたし、どうしよう、と思い始めていると、おでこからプロデューサーさんにぶつかった。

「あ、ごめんなさい」
以下略 AAS



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