【シャニマス 】果穂(16)「普通って、なんですか?」
1- 20
4:名無しNIPPER
2021/05/14(金) 00:56:10.89 ID:97gKkE/X0
「おつかれ果穂、水飲むか?」

 待ち合わせの5分前なのに、コンビニのいつもの場所に車は止めてあった。外からは中が覗けないようになってるけど、ナンバープレートで覚えてるからすぐ後部座席のドアを開ける。

「いいです。持ってるので」
以下略 AAS



5:名無しNIPPER
2021/05/14(金) 00:57:00.84 ID:97gKkE/X0
「暑いな、今日も」

 露骨に話題を作るプロデューサーさんを、このまま無視したらどうなるのかちょっと想像してみる。たぶん、自分で返事をしながら車を出すんだろうな。
 ちょっと前のあたしならすぐに返事をしてたと思うけど、最近はなんだか、ちょっとプロデューサーさんにムッとなることが多い。
 なんだか、距離感にムズムズするのだ。喉が渇いているのを当ててきたこともそうだし、
以下略 AAS



6:名無しNIPPER
2021/05/14(金) 00:58:05.30 ID:97gKkE/X0
 喉が渇いたのでいちごオレを飲もうとしたけど、プロデューサーさんに見られるのがなんだか嫌で、代わりにスマホを開いた。学級委員からクラスのグループに、明日の日課が送られてきている。すぐに画面を閉じる。

「じゃ、ちょっと早いけど行くか」
「はい」

以下略 AAS



7:名無しNIPPER
2021/05/14(金) 00:58:40.61 ID:97gKkE/X0
「果穂! 今日は早いのね!」

 少し遅れてレッスン室に入ってきた夏葉さんが、元気に声をかけてきた。

「はい、今日は短縮授業の日なので!」
以下略 AAS



8:名無しNIPPER
2021/05/14(金) 00:59:29.63 ID:97gKkE/X0
 レッスンが終わっても、まだ蝉は鳴いていた。人通りの少ない道を選んで事務所に向かいながら、夏葉さんとアイスを齧る。

「果穂はもうすぐ夏休みかしら?」
「そうです! でもその前に、お盆特番の収録で凛世さんとお泊まりロケがあります」
「羨ましいわね」
以下略 AAS



9:名無しNIPPER
2021/05/14(金) 01:00:12.56 ID:97gKkE/X0
 夏葉さんは大学を卒業したあたりから、あたしたちがお菓子を食べてても何も言わなくなっていた。むしろ、こうして一緒に食べることの方が多い。この時間も大切にしてくれているのかもしれない。

「夏葉さんは映画の撮影、どうですか?」
「順調よ! 昨日は1つ目の打ち上げがあったわ」

以下略 AAS



10:名無しNIPPER
2021/05/14(金) 01:00:42.66 ID:97gKkE/X0
 そう思うと、夏葉さんは成人したての時期にあまりお酒の場に顔を出さなかったということになる。凛世さんは、大学生になってすぐは新歓に呼ばれた話をよくしてくれていた。

「夏葉さんは」
「ん?」
「……夏葉さんは、普通の大学生活、送りたかったですか?」
以下略 AAS



11:名無しNIPPER
2021/05/14(金) 01:01:18.33 ID:97gKkE/X0
「そうね、もちろんそこそこに充実はしていたけど、アイドルを始めてからはその機会は減ったわね」
「寂しかったり、しませんでしたか?」

 もともとがアイドルのあたしと違って、夏葉さんは途中からアイドルになったんだ。だったら、感じる差はもっと大きいのかもしれない。

以下略 AAS



12:名無しNIPPER
2021/05/14(金) 01:02:26.58 ID:97gKkE/X0
「それに、普通の大学生活って何なのかしら」
「え?」
「大学生はこれまでと比べて自由な時間が増えるし、私はそれをアイドルにあてただけとも言えるわ」
「なるほど」
「もちろん小学生からアイドルをしていると、また普通とは違った生活なのかもしれないけどね」
以下略 AAS



13:名無しNIPPER
2021/05/14(金) 22:22:03.90 ID:97gKkE/X0
 今日の待ち合わせは、あたしの方が早かった。
 待ち合わせ時間の10分前、コンビニのいつもの位置にプロデューサーさんの車はなかった。ちょっと嬉しい。胸を張るような気持ちになる。
「おう」
「樹里ちゃん!」
 コンビニの中でぼーっと涼んでいると、後ろから声をかけられた。
以下略 AAS



14:名無しNIPPER
2021/05/14(金) 22:23:03.30 ID:97gKkE/X0
 なんとなく会話が途切れる。店内だしそれでいいのだけれど、なんだか手持ち無沙汰で、そういえば渡したいものがあることを思い出した。
「樹里ちゃん、これあげます」
「え?」
 カバンから制汗剤を取り出す。CMの収録をした時、スポンサーの人から貰った物だけど、あたしにはなんだか匂いが合わなかった。
「サンキュー?」
以下略 AAS



71Res/64.96 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice