中野一花「勉強終わったらお姉さんの部屋に来て」上杉風太郎「は?」
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1
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2021/03/21(日) 22:04:54.96 ID:+ODGDo1QO
「好きだよ、フータローくん」
狼少年という童話に描かれた教訓は、私にはあまり根づいていないようで、嘘ばかりつく私のことを、彼はもう信じてはくれない。
「キスしたい」
とはいえ、どうせ信じてくれやしないのだと自棄になり、こうして本音を口にすることが出来るようになったことは不幸中の幸いだ。
「はっ……寝言は寝て言えよ」
鼻で笑う彼の声が、嘘つきを見る冷たい眼差しが堪らなく愛しくて、こうして蔑まれるのがすっかり癖になってしまった。
「一花」
とろんとした酩酊感に浸っていると、そんな私を見咎めた家庭教師は説教を始める。
「しっかりしろ」
彼の目にはとてもだらしなく映るのだろう。
寝ているうちに服を全部脱いでしまって、あられもない格好で寝ぼけたことを吐かす私を見て、やるせない思いに駆られるのだろう。
「やだ」
けれど、私はしっかりなどしたくないのだ。
どれだけ惨めで、恥ずかしい姿を見られようとも、そんな私を見て上杉風太郎くんがどれだけ心を痛めようとも、私はただ、あなたに。
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2
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2021/03/21(日) 22:08:20.25 ID:+ODGDo1QO
「やあ、フータローくん」
冷たいお水で顔を洗って、さっぱりした私は中野家の長女として切り替えていた。
「ようやく起きたか。これはお前のぶんだ」
以下略
AAS
3
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2021/03/21(日) 22:10:10.19 ID:+ODGDo1QO
「一花」
「ん? なにかな、フータローくん」
しばらく英語と格闘していると珍しく彼のほうから声をかけてきた。すぐに顔を上げる。
真面目に頑張ってたから褒めてくれるかも。
以下略
AAS
4
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2021/03/21(日) 22:12:15.69 ID:+ODGDo1QO
「ふあぁ……んんっ」
欠伸を噛んで飲み込み、背伸びをする。
しばらく辞書と問題集を行ったり来たりしていると、眠たくなってきた。刺激が欲しい。
刺激を求めて私は、フータローくんを呼ぶ。
以下略
AAS
5
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2021/03/21(日) 22:15:52.43 ID:+ODGDo1QO
「さて、フータローくん」
「なんだよ、わざわざ呼びつけて」
「お姉さんは怒ってるんだよ?」
腰に手をやって如何にも怒っていますという雰囲気を醸し出して私は頬を膨らませた。
以下略
AAS
6
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2021/03/21(日) 22:17:27.67 ID:+ODGDo1QO
「で? そろそろ説明してくれ」
「こほん。フータローくんには今からお姉さんのお気に入りの洋楽を聴きながらマッサージを受けて貰います」
「マッサージ?」
ポカンとした彼だったがすぐ合点がいったらしく、耳からコードをぶら下げながら。
以下略
AAS
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