11: ◆WO7BVrJPw2[saga]
2021/03/14(日) 00:44:34.88 ID:TTeKoZ+G0
――控室
楓「なるほど、それで私がくるまで燻っていた、と」
奏「……」
奏「……いいのよ。お返しを期待してのバレンタインじゃなかったんだもの」
奏「ただ自分の想いと日頃の感謝を伝えるだけ。格好つけても詮無いことだわ」
奏「……なんて言ってもね、情けないけど結局、期待していたのが本心で」
奏「せめて会えていたら、ってね。あの人にそんな時間もなかったのに」
奏「そんなことを考える自分も嫌になっちゃって」
楓「仕方のないことですよ」
奏「そうかもしれないけど…… 格好悪いでしょう?」
楓「奏ちゃんの美学なんですね」
奏「美学だなんて大層なものじゃないわ……女の意地、ですらない」
楓「では、何というものでしょう」
奏「駄々、かしら」
楓「ふふっ。駄々っ子奏ちゃんですね」
奏「ふふ、やめてってば……」
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